Cha道

Chatworkの「人」「組織」を
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コールセンター営業で全国トップを獲得。Chatworkのインサイドセールスには、ビジネスの全てが凝縮されている。

新卒2年目にして、大手企業でのコールセンター営業で全国トップの業績を上げた星野。数十名のメンバーを管理するポジションに昇格し、一人ひとりの人生に向き合いました。Chatworkに入社後はインサイドセールスとして、コロナ禍での成長を牽引し、マネージャーとして、約30名のメンバーのマネジメントも経験。現在は新規事業領域のセールス・マーケティングを担う部署のマネジメントを担当しています。営業として成果を上げる秘訣と、マネジメントのポリシーについて、詳しく聞きました。

■プロフィール

星野 真之介
インキュベーション本部 DXソリューション推進部 マネージャー

2015年にIDOM(旧ガリバーインターナショナル)に新卒で入社。コールセンターで中古車販売営業に携わる。入社1年目からトップの売上を上げる。入社1年目から部下を持ち、5年目には30名をマネジメント。ベンチャー企業での勤務を経て、2020年6月、Chatworkに入社。インサイドセールスのチームリーダー、マネージャーを経験し、2024年1月より、新規事業領域のセールス・マーケティングを担う部署のマネージャーを務めている。

サッカーチームでのマネジメント経験が、キャリアの軸になった

――学生時代、キャリアの原体験になった出来事があれば、教えてください。

小学校から大学時代まで、ずっとサッカーをやっていました。昔から自分でゴールを決めるよりも周囲をまとめることが得意で、リーダーやマネジメントの役割を任せられることが多かったです。大学時代は社会人のチームに参加して、そこでもチームのマネジメントを担っていました。自ら目標を明確に掲げて、ただお願いするだけでは動いてもらえないので、伝え方やタイミングを工夫しながら、丁寧なコミュニケーションを心がけていました。所属リーグで準優勝できたことをきっかけに、マネジメントを軸に、自分のキャリアを重ねていこうと考えました。

もう一つの原体験としては、大学3年生のときのロンドンへの留学が挙げられます。自分を変えるために、海外の価値観に触れたかったのです。自分を追い込むスタンスで海を渡りました。そこで学んだのは、出会った人々はみんな「自分の軸」をはっきりと持っていること。人にどう思われるかを考えるよりも、自分がどうあるべきかを大切にしている。自分に素直に生きている。この留学を機に、挑戦へのハードルが下がったと思います。

中古車販売の営業で全社トップを獲得。目標を宣言して、自分を追い込んだ

――そして、2015年4月、中古車流通大手であるIDOM(旧ガリバーインターナショナル)に新卒で入社しました。

年功序列ではなく、若くしてマネジメントに挑戦できる環境だったので、IDOMを選んだのです。配属先は、中古車販売の営業コールセンター。問い合わせをいただいたお客様に、在庫の中古車を営業する仕事です。ご要望を詳しくヒアリングして、店舗への来訪や出張サービスをご提案していました。

2016年と2018年に、年間営業成績トップを獲得。取得アポイント数、売上金額、粗利金額などの指標で1位になって、全社で表彰されました。コールセンターには約200名のメンバーが在籍しており、そのトップを取ることができて嬉しかったです。

マネージャーに早く昇進したかったので、トップの座は狙っていました。特に心がけていたのが、当たり前のことを当たり前にやること。瞬間最大風速で業績を出せる人はいるのですが、継続させるのが難しい。その再現性を担保するために、周りに自分の行動と成果を宣言していました。月次、週次、日次の目標を周囲に伝えて、やらざるをえない状況をつくる。自分は弱い人間だと理解しているので、意志の力に頼らないように仕組みで解決しようと考えたのです。宣言した行動ができずに、悔しい思いをした日も多かった。しかし、その悔しさをバネに、振り返りと反省と改善を行うことで、次につなげることができました。毎日の積み重ねが、2度の年間業績トップにつながったのだと思います。

メンバーの人生に向き合わないと、同じ目標を目指せない

――IDOMでマネジメントを経験したのはいつからですか?

チームリーダーとしてメンバーを持ったのは、入社1年目の2016年1月からです。当時は史上最速とも言われていました。ただし、新人が部下を持つのは大変でしたね(笑)。周りが全員年上ですし、様々な価値観を持っています。「成果を出して稼ぎたい」という人もいれば、「求められている以上のことはやりたくない」という人もいる。サッカーチームとは異なる難しさに直面しました。「サッカーが楽しくて仕方が無い」「フィールドを走るのが気持ち良い」とサッカーチームのメンバーは明確なモチベーションを持っていますが、会社では必ずしもそうではありません。「仕事が楽しくて仕方が無い」「営業が自分の天職だ」というメンバーは多くはありません。

そこで、まずはチームとしてのゴールを明確に伝えて、一人ひとりの人生の目標やゴールに向き合うことを徹底しました。会社の論理だけでマネジメントするのではなく、メンバーの人生に向き合ってみないと同じ目標は目指せないと感じたからです。「5年後にどういう生活をしていたいですか?結婚はしていますか?子どもはいますか?どういうクルマに乗っていたいですか?」など根掘り葉掘り聞いた上で、「その目標を実現するためには、これくらいの稼ぎが必要ですから、これくらいの業績を上げましょう」と日々の仕事にブレイクダウンしました。すると、目の前の仕事と人生がつながって、前向きに努力するメンバーが増えてきました。成功体験を積んで、急成長した社員も多いです。中には営業成績トップを獲得したメンバーもいます。目の前で人が変わるのは、“マネージャー冥利”につきますね。

IDOMからベンチャー企業へ。ただただ目の前の業務をこなす毎日

――そして、2019年11月、IDOMからベンチャー企業へと移りました。

自分のスキルを拡張したかったからです。IDOMでは、30名ほどのメンバーのマネジメントを担当していて、やりがいはありました。ただ、日々のオペレーションは出来上がっていて、仕組み自体を改善することは難しかった。決められた型の中で成果を上げることはできたので、自分自身で「型」自体をつくることができるポジションにチャレンジしたかったのです。

そして、2人で運営しているマーケティング関連のベンチャー企業に、3人目の社員としてジョインしました。前職に引き続きセールスを担当。まさに「型」の無い組織で働いたのですが、プレイヤーとしての業務が、とにかく忙しかったですね。代表や他の社員も多忙を極めていて、コミュニケーションがなかなか取れない状態。自分の売上が会社の成長につながっている実感は持てたのですが、組織としての仕組みをつくることは難しく、マネジメントのスキルは活かすことができませんでした。私の力不足もありますが、ただただ目の前の業務をこなす毎日で、スキルを拡張するのは難しかった。そこで、仕事の軸足をマネジメントに移そうと、転職を決意したのです。

コロナ禍で急成長中のChatworkへ。インサイドセールスのノウハウを体系化して社内に根づかせた

――2020年6月、Chatworkにインサイドセールスとしてジョインしました。

Chatworkを転職先として選んだ理由は、会社が急成長する中で、自分が牽引しながら組織やオペレーションを構築する経験が積めそうだと判断したからです。新型コロナウイルスの感染拡大によって、一気にリモートワークへとシフトする中、ビジネスチャットの需要が急拡大していました。その需要を売上につなげるために、インサイドセールスの体制を整備することが急務でした。3〜4名しか在籍しておらず、毎月メンバーが増えていく、ちょうど立ち上げのタイミングでした。

まずは、インサイドセールスのメンバーとして、顧客接点を担当しました。プロダクトが時流を捉えており、機能的にも優れていたので、お客様には非常に勧めやすかった。一定の実績をコンスタントに上げることができるようになって、ほどなく3〜4名の小集団(ポッド)のリーダーを任されました。ここではじめて組織の「型」をつくる業務を担当したのです。

新入社員でも実践できるように、インサイドセールスの業務の構造を「架電前」「架電中」「架電後」に分け、それぞれのノウハウを体系化して社内に展開しました。「架電前:インプットと顧客課題の仮説立て」、「架電中:話の内容や流れ」、「架電後:フィールドセールスへの引き継ぎ」を重要項目に置きました。ただノウハウをまとめるだけではなく、これらを実践した上で、KPIと照らし合わせながら、アップデートを重ねました。

このままではメンバーが不幸になってしまう。営業マネジメントの壁にはじめてぶつかった

――ポッドのリーダーを経て、1年後にチームリーダーを務めるようになりました。

チームリーダーとしてマネジメントを担当した人数は約15名。ポッドリーダー時代は、プレイングマネージャーでしたが、完全にマネジメントに専念することに。人数が多いので、メンバー一人ひとりと向き合うことのできる時間にも限りがあるため、戦略的なアプローチがより大切になりました。

求められる業績を達成するために、どのような顧客に、どのような手法でアプローチするのか。また、マーケティング部門や他部署との連携はどうするのか。多岐にわたる検討を行い、戦略に落とし込んで実行する必要があります。このような経験はありませんでしたので、何をやって良いのか分からず、最初は壁にぶつかりました。

当時の上司と戦略の議論を行いながら、私自身はひたすらインプットを重ねました。毎朝5時に起床し、SaaS業界のインサイドセールスの成功例を集めたり、インサイドセールスの元になる「The Model」の実効性について調べたり、エンタープライズと中小企業向け、バーティカル(業界特化型)とホリゾンタル(業界横断型)のSaaSプロダクトの違いや、新規獲得と反響型のセールスで求められるものを徹底的にリサーチ。マネジメントの型についても、何冊もの専門書を熟読したり、セミナーに参加したりしながら学び続けました。

営業として壁にぶつかったのははじめてだったので、とにかくもがきましたね。自分の立てた戦略や日々のマネジメントが間違うと、メンバーも不幸になってしまう。その責任感が原動力でした。自信が無いから、泥臭い努力でカバーするしかない。IDOMで最初に営業トップを獲るまでのプロセスのように、新人の気持ちで頑張りました。そして、2021年の上半期くらいから、何とか成果につながりはじめました。メンバーが自立して動いてくれて、PDCAが回りはじめ、数字が確保できるようになってきたのです。個人の力ではなくて、型や戦略に向き合ったマネジメントで、最初に成果を実感したのがこのときです。

ミッションは、インサイドセールスの新しい価値を形にすること

――そして、2023年1月にインサイドセールス全体のマネージャーに就任して、約30名のメンバーのマネジメントも経験されました。

Chatworkの中で最も大きな組織の一つです。メンバー数が倍になり、担当業務も広がりました。採用、評価、育成はもちろん、予算や勤怠、経理の管理業務も担当するように。人前でプレゼンテーションする機会も増えました。

2023年1月にマネージャーに就任し、まずは2025年までのミッションを固めて明文化しました。一言で言えば、「マーケティングとセールス、双方のスキルを持つチームに成長する」というもの。リストを獲得するマーケティングチームと、顧客に直接提案を行うフィールドセールスとの間に入るのがインサイドセールス。その双方との接続をより密にすることで、インサイドセールスが顧客に新しい価値を提供できると考えたのです。

インサイドセールスを「人材輩出部署」に。ビジネススキルを高められる、最高の環境

――メンバーの育成については、どのように考えていましたか。

「人材輩出部署」として、Chatwork全社で活躍できる人材を育てることも自分自身へのミッションとして掲げていました。ビジネスマーケティングとセールスの知識を身につけることで、一人ひとりの市場価値も向上できれば良いなと思ってメンバーと向き合っていました。2023年度はビジネス職の新卒社員全員を、インサイドセールス部で迎え入れたこともあり、育成を強化することは至上命題。この部署でキャリアをスタートすることには、大きな意味があります。

1日に数十名のお客様と直接話すので、どのようなニーズがあるのか、どのようなことに困っているのか、生の声に触れることができる。ニーズに応じてプロダクトをご案内するため、商品理解が進み提案能力も身につく。そして、全ての行動や成果が定量化できて商談のログも残るので、PDCAを回すスキルも向上する。ビジネスの基礎を学ぶには、最適な環境だと思いますね。もちろん、中途入社の方も多数在籍しています。彼ら彼女らに対しても、過去のバックボーンを活かしながら、さらに成長できるように、できる限りの支援を行いました。

新規事業の部署に異動し、中小企業のDXを統合的に推進

――2024年1月からは、新規事業領域のセールス・マーケティング部署を担当されています。ミッションや今後の展望を教えてください。

中小企業の課題に応じて、Chatworkが提携しているDXソリューションを紹介することで、業務の効率化や事業成長を支援することがミッションです。国内利用者数No.1*1を誇る、ビジネスチャットのユーザー基盤を活かして、セールスとマーケティングチームの双方が連携しながら、お客様の課題の発掘から解決までを一貫して担います。前任マネージャーが立ち上げた事業を引き継ぐ形になりましたが、その志を引き継いで、事業と組織をさらにグロースさせることが、私にとっては大きなチャレンジです。

多種多様なSaaSツールが、世の中には溢れています。お客様の課題を深掘りして、その解決のために最も適したサービスを案内・提案するニーズは、非常に高まっています。そのニーズに応えるために、課題を発掘するオペレーションや仕組みを洗練させ、ソリューションを拡充し、課題解決能力を向上させる。お客様一人ひとりに合わせた提案・送客を実現できる組織をつくりたいですね。

組織の急拡大は続く。誰からも信頼される人材になりたい

――最後に、ご自身のキャリアは、どのように考えていますか?

私が入社した3年前のChatworkの社員数は120〜130名、インサイドセールスのメンバーはたったの3〜4名でした。そこから社員数は400名を超え、インサイドセールス部は30名へと拡大しました。組織の拡大を間近で見られたのは、自分のキャリアにおいても、人生においても、大きな財産になりました。

今年は、さらに自分自身の成長を加速していきたいと思います。セールス・マーケティングの事業と組織をしっかりグロースさせて、社会や会社により大きく貢献したいですね。その先はあまり考えていません。あらゆる会社の課題を解決できる人材になれればと。「星野に任せれば大丈夫!」と誰からも言われるような、信頼される人材になっていきたいです。

撮影場所:東京オフィス(WeWork 日比谷FORT TOWER)

*1:Nielsen NetView 及びNielsen Mobile NetView Customized Report 2023年5月度調べ月次利用者(MAU:Monthly Active User調査。調査対象はChatwork、Microsoft Teams、Slack、LINE WORKS、Skypeを含む44サービスをChatwork株式会社にて選定。