Cha道

Chatworkの「人」「組織」を
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1時間の商談で核心を突く。中小企業の事業改革と業務効率化を担うフィールドセールス。

サッカー部での経験や、フットサルチームの立ち上げを通じて、学生時代に様々なことを学んだ五十嵐。新卒で入社した生活周辺の商材を扱う総合商社では、ジュエリーや時計の営業職として、様々な企画を小売店と実現し、多くのお客様に支持されました。Chatworkへはフィールドセールスとしてジョインし、現在はチームリーダーを務めています。セールスとして成果を出すための秘訣や、マネジメントで大切にしていることを聞きました。

■プロフィール

五十嵐 健介
コミュニケーションプラットフォーム本部 セールス・カスタマーサクセスユニット
フィールドセールス部 SB*
セールスチーム チームリーダー

学生時代はサッカーに打ち込む。大学卒業後、2014年に株式会社ドウシシャに入社。ブランド品の輸入販売の営業を行う。その後、商品部へと異動しブランドマネージャーとして海外ブランドの日本での立ち上げや施策を任される。2021年8月よりChatworkに入社し、フィールドセールス部でチームリーダーを務めている。

*SB:Small Business

サッカーとフットサルチームで学んだことが、今の自分につながっている

――今につながっている原体験はありますか?

小学校から高校までサッカーに打ち込んでいました。特に中学時代の顧問に受けた指導が、今の自分の中にも残っています。厳しい練習の中で「限界を自分で決めるな」とハッパを掛けられることで、諦めない気持ちが成長を生むことを学びました。また、「なぜ、今そのプレーを選択したのか?」と常に問われることで、走りながら考えることの必要性を感じました。チームプレイの大切さも身に染みましたね。皆で声を掛け合ったり、お互いに叱咤激励を続けることで、一人では到底成しえることができない、大きな成果を成し遂げることができる。これらの体験は、現在のマネジメントの仕事にもつながっていると思います。

大学に入って、フットサルチームを立ち上げたのですが、ここで学んだことも多いです。地元の中学の同級生を中心に作ったチームで、20名くらいのメンバーが在籍していました。「試合でなんとしても勝ちたい!」というメンバーもいれば、「ほどほどに楽しめればいい」という人もいる。スキルのばらつきもあり、練習に参加する頻度も人によって違う。多様なメンバーが揃ったチームを、どのように運営すれば良いのか、とても悩みました。「全メンバーが楽しんで頑張れるチーム」を方針として掲げて、スキルの高さを問わず、試合には全員が参加するようにしました。フットサルの試合に出場できるのは5人のみ。勝利を目指しながらも、頻繁にメンバーチェンジを行うことで、とにかく全員に試合に出てもらおうと。このスタンスは、今の仕事にも色濃く残っています。皆で成果を上げたいし、そこまでの努力のプロセスも全員で楽しみたいのです。

「最も売るのが難しい」。ジュエリーの小売店向けの営業職として、キャリアをスタート

――大学を卒業して、株式会社ドウシシャに入社しました。そのときの経緯を教えてください。

大学時代にベルギービールを提供するレストランでアルバイトをしていました。こんなにも美味しくて知られていないビールが世の中にあるんだ!と驚き、その感情も含めてお客様に勧めるとすごく喜んでくれるのです。食事に合うビールも提案することで、注文も増えていって、仕事のやりがいも感じることができました。そこで、就職活動でも食品系の企業を志望。世に知られていない商品を世の中に広めていくのに、やりがいを感じられると思ったからです。

新卒で入社したのは、食品、アパレル、ジュエリー、時計、家電など、生活周辺の商材を扱う総合商社の株式会社ドウシシャです。配属はジュエリーを小売店に営業する部署でした。宝石に触れたことがほとんどなく、アクセサリーにも全く興味が無かったので、「どうして自分がジュエリー担当に?」と納得ができませんでした(笑)。

ただ、ジュエリーを扱うことで営業力が伸びたのは、間違いありません。「ウチの会社で最も売るのが難しい。だからこそ、鍛えられる」と上司にも言われていました。ジュエリーは相場で価格が決まってしまうので安売りができませんし、加工の方法にも限界がある。他社の製品と比べて明確な優位性を持たせるのが難しい商材なのです。よって、営業の売る力が試されます。商材の力よりも、営業の力が売上に直結するので、様々な取り組みを行いました。

ホワイトデーや母の日、カウントダウン。様々なキャンペーンやイベントを企画提案

――どのような営業方法を実践していたのですか?

ジュエリーの小売店向けの営業を担当していました。どのお客様も試行錯誤しているのが、「若い人たちに買ってもらう」ということ。高年齢層のマーケットはレッドオーシャンで、その奪い合いには限界があります。若い客層を開拓し、年を重ねてもジュエリーを身につけてもらえば、大きな売上を継続的に作ることができる。そこで若者向けの様々な企画を提案していました。

たとえば、クリスマスだけではなくて、ホワイトデーにもジュエリーを贈るキャンペーンを実施したり、母の日のプレゼントに購入いただいた方には特典を付与する企画を立ち上げたり。年末のセールでは、価格が1日1日安くなっていく「カウントダウン企画」を実施したり。時計の担当部署と連携して、セットで買うと安くなるキャンペーンも好評でした。色々な企画やイベントを立ち上げて、バイヤーや小売店の皆さんと盛り上がりながらカタチにするのは楽しかったですね。

もちろん、失敗したこともあります。企画を立てる段階ではヒットを確信していたキャンペーンが、不発に終わったことは一度や二度ではありません。その大きな要因の一つに、店舗に来店いただくお客様の理解不足が挙げられます。売る側の論理が優先され、買う側のことを軽視してしまうことで、失敗につながることが多かったです。

そのような結果にならないように、バイヤーとの商談に閉じるのではなく、店舗にできる限り足を運び、ショップスタッフの皆さんにヒアリングを実施していました。「最近はどの商材が売れていますか?」「どのコーナーで立ち止まる人が多いですか?」など、世間話を交えながら聞いていました。現場の声を活かして企画を立てることで、お客様のニーズを企画に反映できますし、ショップスタッフの皆さんの売るモチベーションも向上します。まずはお客様の声に耳を傾けることが大切なのは、今のChatworkでのフィールドセールスの仕事にも共通しています。

営業の後はブランドマネジメントを担当。世界が一気に広がったが、商談の現場に戻ることを決意した

――その後は、どのような仕事を担当しましたか?

商品の仕入れやブランドマネジメントを担当する「商品部」に移りました。主に海外メーカーとやり取りして商品を選定して輸入し、営業部に働きかけて売るのが仕事です。広報や販促の役割を担うこともありました。扱った商品はシューズとキッチン雑貨でした。シューズの広報のために、タレントやお笑い芸人の方々をイベントに呼んだり、東京マラソンのイベントに協賛したり。また、医療系の商品も扱っていたので、医療機関とタイアップしてその効果をアピールしたり、印刷会社やノベルティ制作会社と販促グッズを作ったりもしました。このときに、世界が一気に広がった感覚があります。

商品部には3年間在籍しましたが、直接お客様と商談する機会が少なく、もう一度営業の現場に戻りたいと感じるようになりました。加えて、有形のBtoCの商材ではなく、無形のBtoB商材を扱うことで、営業としての幅を拡げたいと思い、転職活動を始めたのです。

前職で染みついた営業スタンスを捨てて、課題解決型の営業として生まれ変わる

――初めての転職先としてChatworkを選びました。そのときの経緯を教えてください。

無形のBtoB商材を扱う営業職を探す中で、人材紹介会社からChatworkを薦められました。前職で「Chatwork」を使う機会があったのですが、メールよりもスムーズにコミュニケーションができることに驚いて、社内にも広めていたほど好感を持っていました。また、Chatworkという会社は成長フェーズにあることを知り、新しいことを学ぶには最適な環境だと感じて、フィールドセールス(見込み客に「Chatwork」の活用を提案する営業職)としてジョインすることを決意したのです。

ただ、前職で培った企画提案型のスタンスだけでは通用しないと、入社2ヶ月目で気づきました。フィールドセールス向けの研修に参加した際に、「今までの売り方を変えなければならない」と悟りました。ジュエリーのイベントを企画して、消費者に手に取ってもらうようなアプローチは「Chatwork」のお客様には向かない。中小企業の皆さんが何に困っているのか、きちんと課題を分析して解決策を提示することが重要なのです。つまり、企画提案型から課題解決型の営業にシフトする必要がありました。

お客様が何らかの課題を感じている際には、より明確にして解決策を提案する。感じていない場合は、会話の中で探りながら、課題を認識してもらう。前職のように自分発のイベントやプロモーションを仕掛けても、お客様によって課題が異なるので受注に至らないのです。そこで、お客様に寄り添いながら、オーダーメイドのソリューションを提供して、その中で「Chatwork」の使い方を薦める。そのような営業手法に一気にシフトしていきました。今までのやり方を捨てることに抵抗を感じる暇も無かったです。まずは成果を残さないと、フィールドセールスのメンバーにも認められないと感じましたし、会社として課題解決型の営業手法を推進する中で、その先頭に立ちたいとも思っていましたから。

初受注は、飲食系のお客様。「Chatwork」を活用した、事業改革を提案した

――これまでの仕事の中で、印象に残っているお客様はありますか?

初めて受注したお客様が印象に残っています。沖縄でよく食べられる「ポーク卵おにぎり」を製造して、自社の店舗で販売している企業です。「Chatwork」は無料でご利用いただいていたのですが、用途は簡単な情報共有に留まっていました。そこで、「Chatwork」を活用した経営改革を提案したのです。「現場のアルバイトスタッフに使っていただくことで、店舗の清掃状況や、販促事例を経営陣に共有することができます」「一つの店舗の成功事例を共有することによって、他のお店の現場力もアップします」「役員やエリアマネージャーが店舗を巡回する手間も軽減されます」「その空いた時間を新しい事業開発に活用することで、会社の成長を加速できます」など、お客様の事業成長や業務効率化のために、具体的なソリューションを提案しました。

次第にご興味を持っていただく中で、実際にグループチャットを作り、私もそこでやり取りをすることで、受注に至ったのです。今では、「Chatwork」は無くてはならないコミュニケーションインフラになっているとのこと。このような仕事を増やしていくことで、様々な中小企業で働く皆さんに「Chatwork」を使っていただける。初めての受注の仕事でそう確信できたのは、自分の中では大きかったですね。

1時間の商談で核心を突く。シャープな商談スキルが身についた

――お客様は、ITをあまり得意としていない中小企業の方々が中心です。他にはどのような工夫をしていますか?

まずは、お客様の課題をお互いに認識することです。現状をヒアリングして、事業成長のために足りていないことは何なのか、どのような業務に課題があるのか、探っていきます。課題の解像度が粗いと、どうしても提案内容が薄くなるからです。ただし、なかなか難しいと感じているのは、フィールドセールスの商談時間が限られていること。前職の小売店向けの営業では、アポイントを重ねてゆっくりと関係性を築くことができました。一方Chatworkでは、初回の1時間の商談の中で詰めていく必要があります。まずアイスブレイクから入り、業務に関するヒアリングをしながら、一気に核心を突いていく。無駄を省いたシャープな商談スキルが身につきましたね。

限られた時間を活かすために、商談前の準備も重要です。お客様のホームページも拝見しますし、お客様との最初の接点を担った、インサイドセールスの情報から仮説を立てています。また、同じ業界向けの「Chatwork」の活用事例を洗い出して、ソリューションも見立てた上で商談に臨むのがコツですね。インサイドセールスとフィールドセールスの連携もスムーズなので、非常に助かっています。

リーダーとして、「チーム全員が目標達成する」ことにこだわる。営業最終日に全員で笑っていたい

――そして、2022年4月より、リーダー業務も任されました。どのような業務を行っていましたか?

Chatworkのフィールドセールスチームは、3〜4名の「ポッド」と呼ばれる小集団から構成されます。自分でセールスも担当しながら、ポッドのメンバーのマネジメントを行う「ポッドリーダー」を務めました。メンバーのセールススキルの向上を図り、売上目標を達成するマネジメントを行うことが主な仕事です。

当時、心掛けていたのは、追うべき指標を明確化すること。セールス活動の成果として、様々なKPIを設定できるのですが、会社からの要望も踏まえて、「お客様1社あたりの有料利用者数」に注力しました。先ほどの飲食系企業の仕事にもありましたが、一部の部署だけで「Chatwork」を活用するのではなく、全社で利用していただいた方が、業務効率が間違いなく向上します。そのためにどういう課題があって、どのような使い方がマッチするのか。商談の中で深掘りして提案できるように、メンバーに働きかけていました。

メンバーへの向き合い方は、お客様への向き合い方と似ています。「これをやっておいて」と指示するのではなく、本人と徹底的に会話をしながら、情報を集めて、整理をして、課題をお互いに認識して、一緒にソリューションを考える。商談に同席して録画して、第三者の視点でフィードバックを行うこともあります。

一方で、メンバーから学ぶことも非常に多いと感じていますね。Chatworkのセールスメンバーは多様な業界から集まっていますので、「こんな考え方や営業手法があるのか」と多くの気付きをもらえています。その気付きを私自身がシェアすることによって、チーム全体としての学びも高められる。Chatworkはセールスとして成長できる環境だと感じています。

大学時代にフットサルチームを運営していたときと同様に、「チーム全員が目標達成する」ことにはこだわっています。チームとして売上を上げるだけでなく、個人としても全員が目標を達成する方が気持ちが良いですよね。営業最終日に全員が笑っているのを目指しています。そこで得られた喜びや、そこまでの頑張ったプロセスを、全員で分かち合い、たたえ合うことで、チームや個人が成長していく。そのような成功体験を皆に味わって欲しいのです。

オープンなカルチャーを醸成して、仮説検証のスピードを上げる。そして、未開の市場での勝ち筋を見出す

――そして、2023年1月に、「ポッドリーダー」から「チームリーダー」に昇格しました。

ポッドリーダーのように、自分でセールスも担当しながらではなく、マネジメントに特化した役割になります。ポッドリーダーと日々のやり取りをしながら、複数のポッドの売上を向上させるのがチームリーダーのミッションです。マネジメントとしてのコアは、「ポッドリーダー」とあまり変わらないと思っています。チームの本質はぶらさずに、売上目標を日々の行動に翻訳して各メンバーに落とし込んでいく。メンバーの話にも積極的に耳を傾けて、現場で起きていることを正確に認識して、打ち手を提供していく。これまでに培った営業スキルは、マネジメントのシーンでも大いに役に立っていますね。

また、オープンなカルチャー醸成に力を入れていて、商談での仮説検証の結果を常にシェアするように働きかけています。今のChatworkは、仮説検証を高速に回していくことが求められているフェーズです。まだまだ正解が見えていない中で、全員で勝ち筋を探すのが大切。チームの皆で考えて、行動して、検証して、その結果をシェアすることで、一人の経験が全員の経験になる。そのようなカルチャーを醸成することで、チームとしてもメンバーとしても、成長を加速していきたいと考えています。

Chatworkは、日本経済を下支えする役割を担える

――「Chatwork」を世の中に広めていくことに対して、どのような社会的な意義を感じていますか?

中小企業が抱えている課題は様々です。私たちがその解決への道筋を示し、その手段として「Chatwork」を活用いただくことによって、企業としての成長を後押しできる。その結果として、日本経済を支える役割を担えると思っています。

先ほどの飲食店の事例だけではなく、多くの成功事例が生まれています。「業務が効率化されて、従業員の残業が減った」「全く新しい形で売上を作ることができた」「情報共有がオープンになり風通しが良くなった」など、様々な喜びの声をいただくようになりました。

――最後に、五十嵐さん自身のキャリアの展望を聞かせてください。

セールスとしてのキャリアをこの先も続けていきたいですね。マネージャーとして、セールスチーム全体を統括して、より多くのお客様に「Chatwork」を使ってもらえるように、自分自身も成長したいと考えています。より広い視野を持って、インサイドセールスやカスタマーサクセスとの連携を強めながら、会社の成長に貢献していきたいですね。

撮影場所:東京オフィス(WeWork 日比谷FORT TOWER)