Cha道

Chatworkの「人」「組織」を
伝えるメディア

雑談が会議。企画は楽しく。愛のあるマーケティングが、中小企業で働く人を元気にする。

550万人を超えるユーザー*1に「Chatwork」のさらなる活用を促す、カスタマーマーケティング。その中核を担うのが、共に20代の土居と大林です。入社1年足らずで数々の施策を実行した二人に、仕事へのこだわりや企画を生み出す秘訣、日々のやり取りの雰囲気について、詳しく聞きました。

■プロフィール

土居 朝香
コミュニケーションプラットフォーム本部 マーケティングユニット
PLG部 カスタマーマーケティングチーム

2016年に新卒でエス・エム・エス(当時:ウィルワン)に入社。ヘルスケア系の求人広告の法人営業を経験し、メディア・イベントの企画・マーケティング業務を手掛ける。2022年4月にChatworkにジョイン。既存ユーザーにサービス利用を促す、カスタマーマーケティング業務を担当している。

大林 利奈
同上

2017年に新卒でバイオベンチャー企業に入社。健康食品の通販事業部に所属し、Web・オフラインの新規獲得マーケティングやCRM活動に携わった。2022年8月にChatworkにジョイン。カスタマーマーケティング業務を担当している。

前職のエス・エム・エスで、就活イベントの集客を倍に

――まずは、土居さんにお伺いします。前職までの経歴を教えてください。

土居大学時代から「イキイキと働く人を世の中に増やしたい」という想いを持っていて、人材業界を志望しました。会社の理念に共感したことに加え、若いうちから実力次第で裁量権を持つことができる点、興味を持っていたヘルスケア領域にも関われる点から、エス・エム・エス(当時はウィルワン)に入社したのです。2016年から2022年まで勤めました。

前職では、営業や人事、事業推進など幅広く経験しましたが、最も印象に残っている仕事は、国家資格専門学生向けの就職イベントの集客業務です。当時、個人的にマーケティングを勉強していたこともあり、上司に「この仕事をやらせてください」とお願いして担当させてもらいました。

私が担当する前は、集客状況が芳しくなく、アプローチ手法もほぼ電話のみ。そこで、多くの学生に集まっていただけるように、公式LINEとSNSアカウントを立ち上げました。ターゲットが若年層であり、日常の中で利用頻度の高いチャネルでタッチポイントを作った方が、ストレスなく情報を受け取れるのではと考えたためです。

その結果、SNSのキャンペーン企画を通して、ターゲットリストを短期間で大幅に増やすことができました。そこから集客につなげるためにMAツールを導入し、メールや公式LINEでのナーチャリングも強化。さらに、電話オペレーションも見直し、ユーザーにとって負担の少ないコミュニケーションを設計しました。ピーク期の8〜10月は、毎週末イベントを開催していたのですが、「何とか成功させて、関係者全員に満足してもらいたい!」と必死で、できることは全部やり切りましたね。

当時は企画・集客チームのチームリーダーを担当していたのですが、メンバーの頑張りのおかげで大きな成果につなげることができました。オンラインイベントの集客数は大きく改善し、大都市で複数回開催したオフラインイベントにも数百名の学生が集まり、前年比で2倍以上の集客実績を出すことができました。多くの参加者から満足の声が届いただけでなく、スポンサー企業や専門学校の先生からもお褒めの言葉をいただきました。マーケターとして大きな達成感を得ることができて、この成功体験は今でも支えになっていますね。

バイオベンチャー企業で主力の健康食品のマーケティングに挑戦。一人ひとりのお客様とつながる大切さを学ぶ

――次に、大林さんに伺います。大学から前職までのキャリアを教えてください。

大林:大学時代は情報科学部に所属しており、卒業研究論文の作成を通じて、自分でイチから考え、企画することの楽しさを学びました。また、大手アパレル小売店でアルバイトをしていたのですが、オススメの商品をピックアップして店内にアナウンスすることや、お客様と会話しながらコーディネートを考えることがとても楽しく、この経験からも、決まった正解がない中、自分で考え、実行まで手掛けられる仕事が私には合っているのではと感じました。そこで、仕事の裁量が大きく、自律的に動くことが求められるベンチャー企業に興味を持ち食と美容にも興味があったことから、会社のビジョンに共感したバイオベンチャー企業に入社を決意しました。

1番思い出に残っているのは、主力の健康商品のLINEを活用したマーケティング施策です。お客様ととても近い距離でマーケティングができた施策だったので心に残っています。具体的には、ある施設の一部をお借りして仮設ブースを作りそこで販売員さんに健康食品を販売してもらう施策で、「このブースで購入してくださったお客様には、その場で公式LINEに登録してもらい、購入後も継続的なフォローを行う」というものでした。自ら店頭に立ってお客様と会話をして得た情報や、販売員さんからの情報をもとに、店頭POPなどの改善をしたり、LINEでつながったお客様に「ご提案した飲み方はいかがでしたか?」「何か困ったことはありませんか?」とやり取りをすることで、商品の変更やアップセルにつながった事例もありました。

個別での対応やオフライン・オンラインマーケティングの経験を通じて、それぞれの強みを実感することができました。お客様には、ご高齢の方が多かったこともあり、細やかなコミュニケーションは相性が良かったのではないかと思います。事実、LINEでのコミュニケーションを行った場合とそうでない場合を比べると、継続率にも違いがありました。デジタルで画一的なマーケティングも重要ですが、一人ひとりのお客様に向き合うことの大切さを身に染みて感じましたね。商品を使うことで健康の増進につながったとおっしゃっていただけるお客様も多く、人の幸せや社会に貢献している実感も得ることができました。

「Chatwork」の輪が広がれば、イキイキと楽しく働く人が増える

――それでは、土居さん、Chatworkに入社した経緯を教えてください。

土居:前職は人材紹介が主力事業で、営業個人の力で売上を積み上げるビジネスモデルの会社だったのですが、私個人としては、仕組み化が大好きでした。どうしたらもっと効率的に快適にできるかを考えることが多く、会社の強みと自身の強みの方向性が異なるように感じていました。引き続き、働くことへのアプローチはしたいと思いつつ、人ではなく組織に対してテクノロジーで課題解決ができる企業の方が自身の志向性と合っているのではと考え、役割をやり切ったタイミングで転職を決意しました。

BtoBのSaaS企業を中心に転職活動をしていたのですが、ChatworkはDXが進んでいない中小企業をメインターゲットにしている点、業界を選ばないホリゾンタルなツールで幅広い組織の働き方に貢献できる点が魅力的でした。

「Chatwork」を活用していただくことで、業務効率化の一歩を踏み出し、より創造的な働き方ができる。そんなミッション・ビジョンに魅力を感じましたし、楽しんで働く人を増やしたいという想いともマッチしていました。

また、自由度が高く、柔軟な働き方ができることにも惹かれました。20代は生活の中心が仕事で、とにかくがむしゃらに働いてきましたが、30代以降は、仕事だけでなく「暮らし」も含めて、自分にとって心地よい人生設計をしたいと思っていました。今後、妊娠や出産などライフステージに変化があったとしても、長く働き続けられるイメージが持てたことも決め手の一つでした。

メンバー同士のフラットな関係性が定着。フルリモートの環境でも、何でも言い合える

――では、大林さん、Chatworkへの転職の経緯はいかがでしたか?

大林:前職では、「人が健康に生きるために必要なものは何か?」を考えながら日々仕事をしていました。自分なりに見えてきた答えが「体の健康」と「心の健康」の両輪をケアすること。健康食品は「体の健康」をサポートしますが、「心の健康」までは難しい。体の健康をいくら整えたとしても、心の健康が損なわれてしまうと体にも悪影響が出てしまう。特に社会人は1日の8時間を仕事に使っていますので、仕事の満足度を向上することは「心の健康」を保つ、ひいては「心の健康」を向上させることに大きく寄与するのではないかと考えたのです。楽しく仕事ができる人が増えれば、日本中の沢山の人々の人生がより楽しくなるのではないか、そんな社会を創り出せる可能性を感じて、Chatworkに入社しました。

というのも、前職で「Chatwork」を初めて使ったときに、「こんなに便利なツールがあるのか!」と驚いたのです。取引先からの招待で使い始めましたが、特別な資料を読み込む必要もなく、30分も経たずに自然と使いこなすことができ、社内外との日々のコミュニケーションが一気に効率化しました。そうした実体験をもとに、「Chatwork」を広めることが、仕事のストレスを減らすことに寄与し、さらには、人々の「心の健康」の向上につながると確信して、入社を決断しました。

――お二人とも、初めての転職になりますが、入社後に戸惑いはありませんでしたか?

土居:フルリモートの環境だったので、周りと馴染めるのか、仲良くなれるのか、不安はありましたね。しかし、入社直後のオンボーディングが充実していて、メンターの方が親身に面倒を見てくれたり、必要に応じて対面で顔を合わせて企画を進める機会もあったので、スムーズに馴染むことができました。

大林:私も最初は馴染めるかとても不安でした。しかし入社してみると、上司との1on1も定期的に設定されていますし、分からないことは誰にでもすぐに聞ける環境で安心しました。チャットで理解が追いつかない場合は、「今、ミーティングの時間をいただけますか?」と気軽にお願いできます。メンバー同士のフラットな関係性が定着しているので、「子どもが熱を出したので、午後から勤務します」「今日はプライベートの予定があるので、17:00で業務を終了します」など、働き方も柔軟に調整しやすい環境ですね。

雑談から生まれた「ちゃと子さん」が、お役立ち情報を案内する

――お二人は2022年に入社して、どのような仕事を担当しましたか?

土居:私たちの担当業務はカスタマーマーケティングです。「Chatwork」の既存ユーザーに対して、利用を活性化する施策を行い、「一歩先の働き方」を提供することが主なミッションになります。ステップメールを用いたユーザーオンボーディングや、公式グループチャットでのお役立ち情報の提供、SMS(ショートメッセージサービス)の新規実装など、様々な施策を進めてきました。

大林さんと二人で進めている施策としては、「公式グループチャットの運用」があります。お役立ち情報やTipsを配信して、より便利な使い方に気づいてもらい、「Chatwork」のファンになってもらうことをゴールに設定しました。

大林:そこで取り組んだのが、公式グループチャットでのコミュニケーションの刷新です。以前はセミナー告知やプロダクトリリース情報のアナウンスが中心だったのですが、よりユーザーに楽しんでもらおうと、「ちゃと子さん」というキャラクターを作りました。事務的なコミュニケーションではなく、ポップでカジュアルなトーンで情報提供しようと(笑)。

「Chatwork」のユーザーは中小企業で働く方々ですので、ITリテラシーが必ずしも高くはありません。視覚的に目を引いたり、平易な言葉遣いでのコミュニケーションにこだわっています。前職では、ご高齢のお客様に向けたプロモーションを数多く行っていたので、その経験を活かせているのではないかと思っています。

「ちゃと子さん」によるお役立ち情報の発信例

土居:「ちゃと子さん」は、基本は毎週水曜日にお役立ち情報を発信しています。「本日○月○日は○○の日です」とほっこりする書き出しからはじめ、「Chatwork」の便利な機能を紹介して、最後に説明資料やヘルプページのリンクを案内しています。「Chatwork」を身近に感じてプロダクトに好感を持ってくださる人が、もっと増えて欲しいなと。

大林:この企画は雑談から生まれました。私たちは「Chatwork」を前職で活用していたのですが、「Chatwork」のミッションや世界観が詳細には伝わっていませんでした。それが非常にもったいないなと。「働くをもっと楽しく、創造的に」というミッションを伝えるために何が必要なのか、雑談している中で生まれた企画なのです。ユーザーとのコミュニケーション一つひとつに、「Chatwork」で実現したい世界観を宿らせることで、仕事にワクワクしてくれる人を増やしたい。そのような想いを「ちゃと子さん」には込めています。

bit.ly

売上だけを追求しない。ユーザーに寄り添う企画を楽しく考える

――「ちゃと子さん」の他に、お二人で手掛けた仕事はありますか?

大林:「フリーステップメール」のアップデートを共同で行っています。これは、ユーザーに対して「Chatwork」の活用方法を段階的にお伝えし、有料化を促すメールマガジンです。私が前半のステップを担当して、土居さんが後半を企画しました。2022年の12月末から稼働しています。

土居:メッセージを送ったことがある、グループチャットを作ったことがある、など、いくつかの条件を設定して、ユーザーの習熟度をセグメントしました。そのセグメントと属性情報に合わせて、最適な情報を提供しています。「コンタクトして人とつながる方法」「メッセージを送ってやり取りをする方法」など、前半では基本的な機能をご紹介した上で、後半では「オススメのグループチャット」「○○業界で活用できるノウハウ」など、徐々に難易度の高いコンテンツを提供する仕組みです。

――お二人がとてもスムーズに協働しているように感じます。

土居:他のスタッフも含めて、ざっくばらんに企画を進めています。ライトな雑談から始まるケースが多いです。皆でアイデアを出し合って、そこから生まれた企画をすぐに試すことができる。大林さんとのミーティングは、いつも楽しみにしています。「ちゃと子さん」の次の展開を考えたり、ターゲットユーザーのペルソナを語り合ったり。とにかく楽しく仕事をすることを心掛けていますね。私たちがワクワクしながら仕事をすることで、ユーザーにも伝わるものがあるはずですから。

大林:Chatworkのバリュー(大切にする価値観)には「遊び心を忘れず、チャレンジを楽しもう」という言葉が掲げられていて、現場でも体現されています。売上を追求するだけのマーケティング施策を考えるのではなく、誰も置いていかないユーザーに寄り添う企画を楽しく考える。そういったスタンスで仕事ができる環境に私はとてもフィットしています。

土居:マーケティングをハックするような乱暴なスタンスは、ユーザーからは見破られます。「チーム・顧客・社会に対して誠実に」というバリューも掲げられているので、「Chatwork」を使って良かったと思っていただくために、愛のあるコミュニケーションを大切にしていきたいです。

マーケティングの最新事例が常に共有される。すぐに施策に活かすことで、生きたノウハウを蓄積

――入社してまだ1年が経っていませんが、成長を感じることはありますか?

土居:データ検証を繰り返す中で、少しずつ筋の良い仮説が立てられるようになり、施策の成功確率が向上した実感はあります。1ヶ月に1.5本くらいのペースで、新しい施策を試しているので、学びのサイクルが非常に速い。毎日が気づきの連続ですね。

大林:他社のマーケティングの成功事例やクリエイティブ事例を共有するグループチャットがいくつかあって、毎日のように投稿されています。常に最新の情報に触れることができ、さらに施策に活かすことで、生きたノウハウが自分の中に急速に蓄積されました。また、メールマーケティングの施策を通じて、今までは「とにかくやってみよう!」というスタンスでしたが、きちんと仮説を立てて検証する手法を身につけることができました。土居さんの話にもありましたが、データ分析をしっかりと行うことで、施策のPDCAのスピードが向上しました。

プロダクト内部でユーザーの自走を支える、新しいマーケティングに挑戦

――カスタマーマーケティングの仕事における、今後の目標を教えてください。

土居「Chatwork=チャットツールの会社」という浅い認知ではなく、「働くをもっと楽しく、創造的に」というミッションに共感していただけるような、ブランドアクションを開拓していきたいです今後は、メールやSMSといった外部施策だけでなく、新しくプロダクト内のコミュニケーションも担当することになりました。

プロダクトツアーや機能のナビゲーションを「Chatwork」の画面上に実装し、ユーザーのオンボーディングや利活用を促していく仕事なのですが、ユーザー体験に大きなインパクトを与えられる仕事だと思っています。

ブランドイメージは、施策の細部に宿ると思うので、プロダクト内のコミュニケーションにおいても、ミッションやビジョンを意識した誠実な企画を通して、ステークホルダーとの信頼関係を構築していけるような施策を積み重ねていきたいですね。

大林:「Chatwork」を一生使い続けたいと思ってもらえるような、ユーザーにとってストレスの少ないマーケティング施策を企画していきたいです。今後は私も、プロダクト内部のコミュニケーションに携わるようになります。その中でも活用Tipsやお役立ち情報のアナウンスをしたり、すでに「Chatwork」を使っているユーザーに新しいユーザーを招待していただけるような仕組みづくりを担当します。誰から見てもわかりやすく伝えることで、プロダクトの活用度だけでなく満足度も向上させることができたら嬉しいなと思っています。

さらにその先のキャリアとしては、自分自身で起業することも視野に入れています。カスタマーマーケティングでの仕事を通じて得られたスキルは、ビジネスのあらゆる領域で活かすことができる。そう感じています。Chatworkは副業OK*2なので、私は小学生向けにプログラミングを教える講師を務めています。どこがわからないのか、どう伝えると理解してくれるのかを考えて生徒とコミュニケーションを取ることは、マーケティングの仕事と共通点が多いですね。

土居:私も最終面接で「副業は大丈夫ですか?」と確認しましたが、「まったく問題ありません。社内にも副業をしている人は多いですよ」とフランクに答えていただいたのが印象に残っています。色々なところで活躍しながら、Chatworkでも目的を持って頑張っているメンバーが多いので、刺激になっています。

撮影場所:東京オフィス(WeWork 日比谷FORT TOWER)

*1:登録ID数 574.1万(2022年12月末時点)

*2:ただし、競合他社の副業や勤務時間中の副業は禁止