Cha道

Chatworkの「人」「組織」を
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エンジニアが存分に開発を楽しめるよう、シンプルで美しく、堅牢なアーキテクチャを実現する。

専門誌において、モバイルアプリケーションアーキテクチャに関する記事を執筆するなど、この分野における専門性の高い知識と経験、スキルをもつ奥澤 俊樹。エンジニアが純粋に開発を楽しめる環境をつくることが大事だと話す奥澤が、Chatworkを選んだ理由とは。そして、Chatworkで目指すものとは何かを聞いてみました。

■プロフィール

奥澤 俊樹
プロダクト本部 モバイルアプリケーション開発部

原子力分野でのコンサルタント兼エンジニアからエンジニアに転身独学で学びながら、ソフトウェアエンジニアとして複数のスマートフォンアプリの開発に携わる。前職のフラー株式会社では、Androidエンジニアとして多くのアプリ開発に携わり、モバイルアプリケーションアーキテクチャのスペシャリストに。2022年9月よりChatworkに参画。

30代になってからスタートしたエンジニアとしてのキャリア。

――エンジニアになる前はどんなことをされていたのですか?

20代の頃は原子力関係の仕事をしていました。エネルギー問題や環境問題に関心があったので、大学で材料工学を専攻し、研究室では原子力関係の材料の研究をしていました。それで、そのまま原子力分野の会社に就職しました。入った会社では、海外の原子力開発の動向を調べ、国内の事業者に提供する仕事をしていました。

――全く違う業界にいらっしゃったんですね。なぜ、そこからエンジニアになろうと思われたのですか?

原子力業界は政治的な背景があったりすることもあり、個人でできることというのは非常に少ないんです。自分で何かをやろうと思っても、何もできない。それに対して無力感を感じるようになってしまったんです。

そんな中、3.11の事故が起きました。あの時は、業界全体が大きな挫折を味わったというのでしょうか。もちろん日本中が衝撃を受けたと思うのですが…。僕自身も業界の人間として、ものすごく挫折感と無力感を感じました。非常にショックを受けましたね。「結局自分は何もできていないじゃないか…」と悩むようになり、一度人生を見つめなおそうという気持ちで、業界を離れることを決めました。

エンジニアへの転向を考えるようになったのは、その頃からです。僕にとっては、エンジニアという仕事は当時の仕事の対極にあるように見えていたんです。エンジニアになれば、自分の力で色んなことができるんじゃないかと考えました。エンジニアという仕事にすごく可能性を感じたんです。

――30代でのエンジニアへの転向というのは、少し遅めのスタートですよね。

そうですね。普通に遅いです。僕が当時の自分に声をかけられるなら「大変だからやめとけ!」って言いますね。エンジニアになってからは、スタートが遅い分、色々と苦労もしました。

原子力関係の仕事をやめてからは、地元に戻って独学で勉強をしました。そのうちに「開発を手伝ってほしい」と知り合いから声がかかるようになり、仕事を通して経験を積んでいきました。その後2016年に、エンジニアとして1社目の会社に入社しましたが、仕事を教えてくれる人がおらず…大変でしたね。自分に合う会社を探してその後も何度か転職を重ねました。コードレビューでひどく傷ついたり、自信を無くしたり。思い返せば色々ありましたね。

その後、2019年に前職のフラー株式会社に入社しました。フラーでは、クライアントワークで様々なアプリ開発に携わりました。プロジェクトリーダーとして関わったプロジェクトも複数ありますし、何よりカルチャーが自分に合っていました。

モバイルアプリケーションアーキテクトをやるために決意したChatworkへの転職。

――Chatworkに転職されたのは、なぜですか?

きっかけは、Chatworkからのスカウトでした。フラーでは、色々な経験をしてスキルも身につけることができましたし職場の雰囲気もよかったので正直辞めるつもりはなかったんです。でも、Chatworkからのオファーの内容が、「『Chatworkのリアーキテクチャ』を主導する」というものだったんですね。自分にとって非常に興味のある分野だったので「これは、やるしかないな」と思ったんです。

また、「Chatwork」というサービス自体にも興味がありました。多くの人の働き方が変化している今、ビジネスチャットは非常に重要なツールであり、そういうサービスの開発にかかわれるという事は、自分のエンジニアとしてのスキルが世の中のために活かせるのではないかなと考えました。

それともう一つ。僕は今、結構田舎の方に住んでいるんですが、住んでいる場所に関係なく使えるサービスだという点にも興味がありました。都心でしか使えないサービスってあるじゃないですか。そういうものではなく、みんなが使うことができるサービスであるという点にもすごく魅力を感じました。といったような、色々な感情があって、Chatworkの選考を受けてみることを決めました。

――Chatworkに入社されてからは、どんなお仕事を担当しておられますか?

「Chatwork」のAndroid版というのは、元々は少ない人数でスピーディに開発をしていくというような思想でつくられているアプリケーションなのですが、サービスが成長してきたことによって、開発に関わるチームの数が非常に増えてきており、開発の局面が変わってきている状況なんですね。ですから、多チーム開発に耐えることのできるアーキテクチャにしていく必要があります。また、元々のソースコードよりも、さらに開発しやすく、堅牢なソースコードにしていくことを目指しています。

――もともとあるコードベースをユーザーへの影響がないようにつくり変えていくということでしょうか。

そういうことです。表向きのサービスには影響が出ないように、裏で構造をつくり変えていくということをやっています。僕たちのチームの仕事はユーザーに直接的な価値を提供する開発ではないんですね。ユーザーに価値をもたらす開発エンジニアたちが、開発しやすくなるように、ソースコードの整備をするというイメージです。

チームで仕事をする面白さを知ったからこそ見えてきた、エンジニアとしての生き方。

――それは、奥澤さんがまさにやりたかったお仕事ですよね。どういうところに仕事の面白さだったり、魅力を感じておられますか?

エンジニアになりたての頃は、ソフトウェアって1人でつくれるものだと思っていたんです。でも、IT業界に入って仕事をしていく中で、エンジニアやデザイナー、プロダクトマネージャー…たくさんの人たちとチームでつくりあげていくものなんだということに気付きました。1人だと、何もかも自分でやるしかないですが、チームならそれぞれが得意なことに集中することができます。みんなの得意なことを合わせていくので、1人でやるより、より良いものをつくることができる。それは、すごく楽しいことなんだなということに気付いてから、エンジニアという仕事がさらに面白くなりましたね。

今、僕らのチームが担当しているリアーキテクチャというのは、Androidアプリの開発に携わるエンジニアが楽しく開発をできるようにするために欠かせないものなんです。僕らがやっていることが直接ユーザーに届くわけではないですが、開発に関わるエンジニアが簡単に機能追加できたり、シンプルに開発ができたりする。開発しやすい構造になっていれば、効率が上がりますし、何よりエンジニアが開発を純粋に楽しむことができると思います。エンジニアが、開発を楽しむことができなければ良いサービスはつくれないと思うんです。そういう意味でも、僕らの役割は非常に重要だと思っています。

――奥澤さんがお仕事をする上で、大事にしておられることは何ですか?

やっぱり「楽しく働くこと」です。僕も辛かった時期があるんですよ。自分にスキルがなかったということももちろんあるんですが、人が傷つくような言い方でレビューをする人がいると、チームの雰囲気も悪くなってしまいます。そうすると、人が辞めてしまったりもしますし。

楽しくないとアイディアも出てこないし仕事も進まない。チームの雰囲気が暗くて良いことなんて一つもないと思うんです。だから、「楽しく働くこと」は、一番大事にしています。

子どもが生まれ、変化したライフスタイル。

――楽しく働く…という意味では働き方というのも重要な要素かなと思うのですが、奥澤さんは在宅勤務を選択されているんですよね。

そうですね。基本的に在宅勤務です。さっき数えてみたんですが、入社してから今まで5回くらいしか出社していないですね(笑)。地方で暮らしている僕にとっては、出社する必要がないというのはすごく働きやすいです。

――まだ小さいお子さんもいらっしゃるそうですね。

はい。2歳の子どもがいます。仕事を切り上げた後は夕飯の準備や子どもをお風呂に入れたり、寝かしつけたり。子どもの世話で1日が終わっていきますね。基本的には18時半には仕事を切り上げて、子どものことや家のことをやっています。

勉強や情報収集は、子どもが寝た後や朝起きる前になるべく集中してやるようにしています。仕事に関しても、家事や育児に関しても、必要なことを効率的にやるようになったという点は、子どもが生まれてから変わりましたね。

そういう意味でChatworkは働き方も働く時間も柔軟なので、すごく働きやすいです。住みたい場所で、子どもとの時間も大切にしながら、自分がまさにやりたかった仕事ができています。

「Chatworkのモバイル開発」の存在感を高めたい。

――Chatworkでこれから挑戦したいこと、目指すことはどんなことでしょうか。

そうですね。やりたいことというのは二つあります。一つは、今のポジションで携わっている仕事そのものなんですが、モバイルアプリケーション開発の効率を上げて、どんどん機能追加していくことができるような、最高の土台をつくることです。

そして、もう一つが、Chatworkを「すごいモバイルアプリを開発している会社だ」と言われる会社にしたいですね。「Chatworkのモバイル開発はレベルが高い」と世間に知られる存在にしたいです。そうすることで、もっと多くのモバイルアプリケーションエンジニアがChatworkに入ってきてくれたらいいなと思います。「Chatworkでモバイル開発を経験すれば成長できるよね」と言われるような存在になっていけるような、そういう文化のようなものをつくっていきたいですね。そのための、情報発信等も積極的にやっていきたいと思っています。

――確かに「モバイルアプリケーションエンジニアにとってのChatworkの魅力」を世の中にアピールしていくというのは大切なことですよね。

はい。Chatworkでは、エンジニアがツールとして実際に「Chatwork」を使いながらサービス開発を進めていくことができます。そういう体験ができる環境というのは、他にはなかなかないと思います。自分たちでサービスを使っていて「いまいちだなぁ」と思う部分って当然ながらたくさんあるんですよ。そういうユーザーとしての実感を持ちながら、サービス開発に携わることができるという点は、すごく面白いです。

だからこそ、レベルの高いモバイルアプリケーションエンジニアが集まる会社になれば、当然、開発のレベルを高めていくことができますし、もっと面白い仕事ができるようになると思うんです。自分がそういう方向に引っ張っていけたらいいなと思っています。

撮影場所:東京オフィス(WeWork 日比谷FORT TOWER)