Cha道

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Chatworkのフロントエンドチームを、国内で存在感を示せる組織へ。

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「おそらく、私はマネージャーという役割が合っていたんだと思います。人や仕事と泥臭く向き合うこと、企業や組織がうまくいくようにサポートすることが好きなので」
そう語るのは、プロダクト本部 フロントエンド開発部でマネージャーを務める澁谷哲也。その言葉が示すように、澁谷はキャリア初期の頃からマネジメント職を担い、価値を発揮してきました。
そんな彼がChatworkで目指すものとは。澁谷のキャリアとマインドについて聞きました。

■プロフィール

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プロダクト本部 フロントエンド開発部マネージャー
澁谷 哲也

2019年にChatwork株式会社へフロントエンドエンジニアとしてジョインし、現在はフロントエンド開発部のマネージャーを務める。トライアル&エラーを地道に行うことと、こぼれそうなボールを拾うことを得意とする生粋のマネージャー気質。最近は独自CLIをさまざまなプログラミング言語で実装してみることにハマっている。

自分で何かを作れるキャリアを目指してエンジニアの道へ

――まずは大学卒業後のことからお聞かせください。

もともと私は美術系の大学出身で、Webの世界も好きだったので高校時代からHTMLを触っていました。ものづくり系の仕事を目指して就活していたのですが、ちょうど就職氷河期だったこともあり、なかなか思ったような仕事に就けなくて。
そこで、大学卒業後はフリーターとして働いた後、ゲーム会社の品質管理を担うQAチームでデバッカーを3年くらいやっていました。最初はアルバイトとしてスタートして、だんだんメンバーのタスク管理などの業務も任されるように。振り返ると、私にとって最初のマネジメント経験ですね。
ですが、QAチームの仕事では、徐々に満たされない気持ちを覚えることが多くなりました。たとえ自分が改善案を出しても、「これは仕様です」と回答されることも多くて。もしも自分が実装できれば、ユーザーにとってより良いサービスにできるのになという気持ちを抱えていました。もっと自分が作るものに責任を持ちたい、ものづくりが好きなので自分で何かを作るキャリアに進みたい。そう考えて転職を決めました。

エンジニアとマネージャーの基礎を築いた前職での経験

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――次の職場ではどのような仕事をしていたのでしょうか?

受託開発をしている企業でフロントエンド周りの仕事を担当していました。これはChatworkの前職時代にあたります。美術系のバックグラウンドがあるので、デザイナー兼フロントエンドのコーダーとして入社し、いくつか案件の経験を積みました。その過程で、JavaScriptの知識やSPA関連のスキルなど、フロントエンド周りのエンジニアリングの力を身につけました。
コーダーとして案件に取り組むのと並行して、次第にプロジェクトマネジメントも任されるようになって。最終的にはフロントエンド開発を担当する部署で、課長職に相当するマネージャーになりました。

――QAチーム時代に続いて、開発組織でもマネジメントスキルを高く評価されたのですね。ご自身では、どのような点が評価につながったと思いますか?

当時は「コミュニケーション能力が抜群に高い」と上司や同僚から言ってもらえたのですが、自分ではまったくそうは思っておらず、むしろ苦手意識があります(笑)。ただ、基本的に聞き上手なタイプで、人の話をしっかり聞いてフラットな立場で考えるのが信条です。
それから、自分の意見が絶対に正しいとは思わないようにしています。相手の立場になって考え、相手の意見も自分の意見も平等に扱うことを常に意識しています。おそらく、その姿勢を評価してもらえたのだと思います。

――当時のマネジメント経験で、印象に残っているエピソードを教えてください。

入社して数年目に、オフショア開発でフィリピン出身のメンバーと一緒に進めるプロジェクトがあり、そのマネジメントをしました。直接対面したことのない人々と円滑に仕事をするため、いくつも工夫をしました。
やりとりは主にChatworkをもちいてテキストで行っていたので、きつい印象にならないように、絵文字をたくさん使うなど細かい点も配慮していました。あとは、何かしてもらったら必ず「ありがとう」と伝える。仮に相手と行き違いがあっても「あなたに問題があるわけではなく、こういう事情だからここを変えてほしい」と丁寧に説明することを常に意識していました。

――オフショア開発の場合、マネジメントをするうえで文化の違いなども考慮する必要がありそうです。

そうですね。やはり日本人とは考え方や仕事への価値観などが違いますから。例えば、一緒に働いていたフィリピンのメンバーは楽観的な方が多かったので、進捗をたずねると厳しい状況でも「できる」と答えてしまうことがよくあったんです。だからこそ、成果物の内容確認などを行い、正確な進捗を確認したうえで「このタスクはこういう調整をしよう」と提案して方向性を示していました。
あとは頑張りすぎてしまう人が多くて、夜遅くまで仕事をする傾向があったので「自分や家族を大切にしてほしいから、早めに帰ってね」とコミュニケーションしていました。納期を確実に守りつつもオーバーワークにならないよう、調整に気を配っていました。

――課長になってマネジメントにおける役割の変化はありましたか?

課長になる直前で会社が買収されたんです。のちに子会社化を経て吸収合併されることになりました。それにともない、メンバーのモチベーションをどうやって保つかなど、今までにない課題が生じました。
これは私見ですが、どれだけマネジメントを頑張っても、組織においてメンバーの不満は絶対に出ると思っています。特に吸収合併のように企業に大きな変化が生じた場合、環境や待遇が変わるので、不満を感じる人が出てくるのは当然です。
だからこそ、ネガティブな意見が出ないように抑えることは絶対にしませんでした。メンバーの話をしっかり聞いてそれぞれの思いや考えを尊重し、彼ら・彼女らの意見をなるべくマネジメント施策に落とし込むことを意識しました。

自分の強みとChatworkの求める人物像がマッチした

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――その後、Chatworkへ転職した経緯を教えてください。

よりユーザーと向き合ってものづくりをするために、自社サービスの開発に携わりたい。そして、前職でVue.jsをもちいてSPAのサービスを作ることができたので、その知識をさらに深めたいという思いから転職を決意しました。エンジニアとしてもマネージャーとしても、より成長できる環境に行きたかったんです。そんな折に、たまたま参加した技術イベントでChatworkがフロントエンドエンジニアを募集していると知り、応募しました。
Chatworkに惹かれたのは、多くの人が利用する自社サービスの開発に携われる点が大きかったです。それからフロントエンドの業務にもやりがいを感じました。大規模かつ歴史のあるツールなので、レガシーな設計や実装を地道に改善する必要があります。自分の適性に合っていると思いました。また、技術イベントで話したChatwork社員の人柄がとても良く、好印象だったのも後押しになりました。

――採用面接では何を話しましたか?

自分の強みがマネジメントにあると自覚していたので、面接では「マネジメントもやりたい」とアピールしました。ちょうどChatworkも、よりよい開発組織にするためにマネジメントができる人材を求めていたので、上手くマッチして入社できたのだと思います。そうした経緯もあり、入社後はわりと早い段階でマネジメント職になりました。入社後1年も経たずにサブマネージャーになり、2021年の頭には正式にマネージャーに就任しました。

――Chatworkに入社してからマネジメントに対する考えは変化しましたか?

前職時代のマネジメントは、受託開発かつ納品型の案件がメインだったため、必要なリソースを適切にアサインして管理するというプロジェクトマネジメント的な要素が強かったです。Chatworkの業務ではそれに加えて、メンバーのモチベーションを高く保つためのマネジメントが非常に大切だと実感しています。
自社サービス開発の場合は、長い期間にわたって各メンバーが1つのプロダクトに携わり続けるため、メンバーのモチベーションが開発スピードや品質に直結します。前職時代と比べて、ピープルマネジメントの比重が大きくなったと実感しています。

――受託開発を経験したマネージャーが、Chatworkのような自社サービス開発のマネジメントに携わった際に力を発揮できるのはどのような部分でしょうか?

受託系のマネジメントを経験すると、ビジネス要求をふまえつつ納期を管理して必要な品質を満たしたプロダクトを納品する能力が培われます。自社サービス開発であっても、もちろんそのスキルはすごく活きます。特に今のChatworkのように、事業も組織も急拡大しているフェーズでは非常に役立つでしょう。受託開発を経験した人がもつ、リスクヘッジやスケジュール管理などの方法論は、重要なスキルです。

国内で存在感を示せるフロントエンドチームを目指す

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――澁谷さんがマネジメントをするうえで心がけていることを教えてください。

人や仕事と泥臭く向き合うように心がけています。マネジメントの仕事は基本的に、そういった地道な仕事なんです。たとえ社員全員がフラットな立場で意思決定できる組織構造を採用していても、それはあくまで型です。型にはめれば必ずしもうまく機能するわけではありません。組織がスムーズに動くためには、コツコツと粘り強い取り組みが不可欠だと考えています。
私が目指すのは、メンバー全員がお互いを尊重し合い、モチベーション高く開発に取り組める組織です。ものづくりへの思いをみんなが持っているのに、情報の行き違いや認識の違いなどの問題でプロジェクトを成功させられないのは、すごくもったいないですよね。そのため言葉をかける際にも「このメンバーなら絶対に目指すところにたどりつける」という思いを持って、伝えることを心がけています。

――個人的にチャレンジしたいことや目標はありますか?

私は若い頃からマネジメントに軸足を置いて、キャリアを積んできました。やりたいことと、できることの重なる領域が天職だとすると、自分にとってはそれがマネジメントだと感じています。さらに、マネジメントだけではなくエンジニアリングにおいても、自分が活躍できる領域を着実に広げながら成長していきたいです。

――最後にフロントエンド開発部の今後の目標を教えてください。

Chatworkはフロントエンドだけで約15万行のコードベースがあり、非常に巨大です。かつサービスの仕様上、フロントエンドの設計・実装の難易度も高いです。複雑な状態管理が求められますし、さらにチャットサービスなのでリアルタイム性も求められる。Chatworkというサービスには、Webの技術でアプリケーションを作る楽しさや難しさが詰まっています。
かつ、社内にスキルの高いメンバーがたくさんおり、技術的な試行錯誤をしているのはエンジニアにとって魅力的です。私たちは常にアーキテクチャ改善を続けています。そういったChatworkのフロントエンド開発のノウハウや面白さを社内外に情報発信しつつ、自分たちも成長していきたいです。ゆくゆくは国内で存在感を示せるフロントエンドチームになりたいですね。