Cha道

Chatworkの「人」「組織」を
伝えるメディア

起業、事業譲渡を経て、Chatworkへ。プロダクトの変革を実現し、中小企業に革新的な体験価値を提供する。

2015年、クラウド型タスク管理ツール「Jooto」をシンガポールで立ち上げ。2017年8月に登録ユーザー数10万人を突破するまでにスケールさせ、2017年9月、サービスを株式会社PR TIMESに事業譲渡。そのタイミングで、「Jooto」の開発元であるSkipforward PTE.LTD.から株式会社PR TIMESに移籍し、Jooto事業部の本部長として、日本での事業拡大を推進していくための基盤づくりを行う。退職後は、個人事業主としてもSaaS開発支援、新規事業開発、地方再生などを手掛けてきた。これまでにさまざまな経験をし、今、長野で自然や音楽の中で暮らす彼が、なぜChatworkで働くことを決めたのか。その理由、そして、今後何を目指すのかを、聞いてみました。

■プロフィール

原 悠介
プロダクト本部 プロダクトマネジメント部
兼 プロダクト戦略室

大学卒業後、新卒で日本のIT系の企業に入社。SEとして受発注管理システムの保守、eラーニングシステム等の開発に携わった後、英語を学ぶためシンガポールへ留学。2011年からシンガポールの大手外資系ITネットワーク企業で経験を積み、2015年、クラウド型タスク管理ツール「Jooto」を立ち上げる。その後サービスの事業譲渡、個人事業主としての活動などを経て2023年1月、Chatworkへ入社。プロダクトマネージャーを務める。

語学留学で滞在していたシンガポールで出会ったバンド仲間と、事業を立ち上げた

――Chatworkに入社されるまでのご経歴を拝見したのですが、お伺いしたいポイントがありすぎて、どこからお話を伺えばいいか迷ってしまいます(笑)。

そうですね。どこからお話しするのがいいですかね(笑)。シンガポールに行って、サービスを立ち上げるところあたりからお話ししましょうか。英語を勉強しようということで、2011年にシンガポールに語学留学をしました。学校には1年通う予定だったのですが、たった3ヶ月で資金が底をついてしまい、「さすがにこのままでは帰れない」と、現地での就職を決意しました。ありがたいことに、日本でのSEとしての経験が活かせる場があり、外資系のネットワーク会社に就職することができました。そこで社員として働きつつ、シンガポールで知り合った日本人の仲間たちとバンドを組んで活動も楽しんでいました。そのバンド仲間と「何か新しいことに挑戦したい」という想いから事業を立ち上げました。それが、「Jooto(ジョートー)」というサービスです。相方がCEO、僕がCTOというかたちで、2015年に、サービスを本格的にスタートさせました。「Jooto」は、シンガポールで立ち上げたサービスですが、日本のユーザーをターゲットにしていました。マーケティングの対象は日本ですが、マーケティングやマネジメントはシンガポールで、開発はベトナムで行っていました。

その後、事情があって私は台湾に移住をして、台湾から開発を委託しているベトナムのオフショア会社の統括をしていました。ですから、このころからずっとリモートで仕事をしてるんですよ。

――少し話がそれますが、ずっと音楽活動をされているのですよね。

ずっと、バンドをやったりしていました。実は音楽に関わる仕事がしたいという想いがあって、就職活動の時は音響メーカーなど音楽に関わることができるような就職先を希望していました。でも、希望する業界に入ることは叶いませんでした。最終的に、新卒ではIT企業に就職してSEとして約4年、技術やスキルを学びました。でも、どうしても「音楽で食べていきたい」という想いが強く、新卒で入社した会社を退社したんです。けれど、やっぱり音楽で食べていくことは難しく、将来どうしようかと考えていた時に縁があってシンガポールへ渡ったんです。

立ち上げから2年で事業を売却。M&A先の企業に移籍

――なるほど…。また話を戻します。「Jooto」は、2017年9月に事業譲渡されていますよね?

もともと事業を立ち上げた目的は、売却することだったので、2年くらい自分たちでサービスの基盤をつくり、軌道にのせた上で、売却先を探していたんです。その売却先が株式会社PR TIMESでした。M&Aの条件が私と、CEOだった相方も一緒にPR TIMESに移籍することだったので、もっと海外にいたいという想いは強かったのですが、日本に帰国しました。帰国後はPR TIMESのJooto事業本部に所属して、事業を引き続き運営していたのですが、1年もせずに相方が退職してしまって、私が事業本部長としてトップに立って事業を動かしていくことになりました。これまでは、私たち二人でなんでも決めて動かしてきましたが、突然一人になってしまった。私は開発周りを中心に担当していたので、営業などに関しては知識が浅かったため、イチから勉強する必要がありました。また、人も採用する必要がありましたし、新しいメンバーの育成もしていかなければいけなかった。事業本部長の経験を通じて、スキルの幅はとても広がりました。

さまざまな企業からの誘いを辞退し、個人事業主に

――サービスを海外で立ち上げ、事業譲渡し、さらに事業をスケールさせるという経験をされてから、次のキャリアを考えるのはまた難しい気もしますが。そのあとのキャリアについても聞かせて下さい。

2020年にPR TIMESを退職した時、ありがたいことに色々な企業からお声がけいただきました。実は、Chatworkからも声をかけていただいたんですが、全てお断りしました。

Chatworkの方とはつながりが深いんですよ。私が台湾に住んでいたころというのは、ちょうどChatworkも海外展開するという時期で、台湾支社を立ち上げたばかりのタイミングでした。私は台湾で語学学校に通っていたんですが、そこで当時台湾オフィスを立ち上げ、駐在されていたChatworkの方と出会いました。お互いの仕事のこともよく話をしていて、すごく仲良くさせてもらっていました。週2回くらい飲みに行ったりもしていましたし。そのつながりで、当時のCTOの春日さんにお会いしたり、当時のCEOが台湾に来た際、お話をする機会をいただいたりしていたので、Chatworkという会社は実は私にとっては以前から非常に身近な存在だったんです。そんなつながりがあったので、PR TIMESを退職する時もまだ辞めたことを公表していなかったのにもかかわらず春日さんから「やめるんですか?」って連絡がありまして。「うちに来ませんか」と声をかけていただいたんですが、一度個人事業主として仕事をしてみたいと考えていたので、その時はお断りをしました。

長野に移住。自分がやりたいと思うことに、自由に取り組む日々

――個人事業主としては、どんなお仕事をされていたんですか?

今までやりたかったことを色々とやりました。動画事業をやってみたいと思っていたので撮影をしたり編集をしたり。ちょうど個人事業主になる時に、長野に移住しました。佐久市というところに移住をしたんですが佐久市の中小企業の支援や、事業のアドバイザーのようなこともしました。あとは山菜取りをしたり、お酒を飲んだり(笑)。佐久市って、酒蔵が13棟もあるんですよ。そこの方と仲良くなってイベントを主催したりもしました。あとは、Chatworkに転職をすることはお断りしたんですが、個人事業主として受けられる仕事なら…ということでChatworkのプロダクトマネジメント部の仕事やグループ会社のPMIをお手伝いしたりもしていました。

――長野には何か縁があったんですか?

いえ、完全にノリです。(笑)シンガポールで出会ったバンド仲間と一緒に移住したんですが、彼がスキーやスノボが好きなのもあって「長野いいよね」という話になって、一度二泊三日で長野を一周して佐久市が一番いいなと思ったので移住しました。佐久市って軽井沢が近いこともあっておもしろい人がたくさんいるので、そういうところもいいなと思いました。今は、山奥に家を買って、スタジオをつくってレコーディングをしたり、ほのぼのバンド活動をしています。

いつも身近に感じていたChatworkの存在

――自由におもしろい仕事をされていたにもかかわらず、Chatworkで働くことを選ばれた理由についてもぜひお伺いしたいです。

Chatworkに入社するということに対して、葛藤はありました。個人事業主なら、色んな人と出会えますし、閉じずに自由に活動できるので、この働き方は、すごく自分に合っていると感じていたので心は揺れました。でも、Chatworkの方たちにはとてもお世話になってきたので、恩返しがしたいという想いもありましたし、Chatworkの経営戦略にも非常に興味があって、Chatworkに入社する道を選びました。

――恩返しという言葉が出ましたが、どういうことに対して恩返しをしたいという気持ちを持っておられたのですか?

台湾にいたころには、語学学校で出会ったメンバーの方にたくさん助けていただきました。台湾は英語を話せる人もいますが、母国語は中国語です。中国語の勉強はしたのですが、あまり得意ではなかったので英語を話せる人か、日本人しか友達ができなかったんです。彼は中国語も堪能だったので、色々な場面で助けてもらいました。また、当時はプライベートなことで少し落ち込んでいたりもしたんですが、すごく励ましてもらいました。個人事業主になってからは、Chatworkからお仕事をいただいていますし、僕がPR  TIMESを退職した後ですが、「Jooto」が「Chatwork」とサービス連携していたりもします。ですから、次は自分がChatworkの今後の成長の役に立つことができたらという想いがありました。

Chatworkは、ビジネスチャットツールという競争の激しい市場で成長を続ける稀有な会社

――Chatworkの経営戦略という面では、どういうところにおもしろさや可能性を感じられましたか?

経営戦略という点では、中小企業のDX推進に取り組んできた背景、そしてこれからBPaaS*1を主軸にさらなる事業成長を実現していくという中期経営計画を掲げているというところが非常にチャレンジングでおもしろいなと感じた点です。BPaaSって、大手企業に対してサービスを提供している会社は他にもあると思うんですが、中小企業に対して提供していくためには乗り越えなければならないハードルがたくさんあるので、なかなか難しい。そこに挑戦していくというのは、非常に興味があります。

私自身はプロジェクト管理ツールという領域で戦ってきましたが、「Chatwork」は、それよりももっと熾烈な競争を勝ち抜いていかなければならないコミュニケーションツールという領域で、しかもワンプロダクトで成長し続けてきた会社です。それはもう本当にすごいとしか言いようがない。どうやったらそんなことができるのか。信じられないくらいのことを成し遂げている。ですから、Chatworkの今後の展開には非常に興味がありますし、中に入ってプロダクトの開発に関わるということはおもしろいですし、私にとっても多くの成長機会が得られるのではないかと考えました。

ターゲットに最高の体験価値を提供する

――Chatworkでの現在のポジション、担当されているお仕事についてお聞かせ下さい。

現在は、プロダクト本部というところでプロダクトのコアとなるような機能・領域を担当するチームでリーダーをやっています。料金プラン回りですとか、こまごまとした改善、トラブル対応もキャッチアップします。私が入社して感じていることの一つは、関わる人がとても多いということ。個人事業主のころは自分一人でなんでも自由に進められたし、「Jooto」の開発をしていたころも自分と相方でなんでも決断できていました。もちろん会社員として働いていた時代もあるので、社員数が多い会社で働いた経験がないわけではないのですが、Chatworkのように1つのプロダクトをこれだけの人数で開発するのははじめてです。自分よりも何年も前から、このプロダクトの開発に携わってきた人がいる。そういうたくさんの人と、1つのサービスをつくっていくというのはとても学びが多いですし、刺激的だと感じています。そして、ここ数年で急激にプロダクトも組織も成長しているので、少し筋肉痛のような状態というんでしょうか。色々と重くなってしまっているような部分もあり、この筋肉痛を治していくような作業も必要だと考えています。

――実際に入社してChatworkが厳しいマーケットの中で、1プロダクトで、成長し続けることができる理由、答えは見えてきましたか?

いえ。まだまだ言語化が難しいですね(笑)。ただ、驚いたのが「Chatwork」は表向きはシンプルな体験でつくられていますが、実はターゲットによってさまざまな使い方ができる非常に充実した機能を持っているということです。私自身、個人事業主をしていたころには「Chatwork」の仕事をさせてもらっていましたし「Chatwork」を使ってもいたのですが、全く知らないような機能がたくさんあるということは驚きでした。ターゲットに合わせて多種多様な使い方ができる…。非常にユーザーのことを考えてつくられているサービスであり、速いスピードで進化していっているプロダクトなのだということを感じました。

今後、ターゲットに合わせてより多様な使い方ができるよう、この機能をさらに拡充していくということは、重要な開発テーマの1つだと思っています。

仕事道具がいらなくなる。そんな世界をつくれたら

――最後の質問です。今後Chatworkで挑戦したいことはなんでしょうか。

新しいことに挑戦することやおもしろいことが好きなので、目に見えて新しい機能だったりワクワクするような改善をカタチにしたいなと思っています。

中小企業のDXを推進していくには、ツールを提供するだけでなく、業務プロセスそのものを提供していく必要がある。そのために、今ChatworkではBPaaSを推進していますが、私たちもその展開を念頭に置いてプロダクトを進化させていく必要があります。ボットの開発などもそうですが、ユーザーにとってより使いやすいものを提供していくために、新しいことに挑戦していきたいという想いがあります。

個人的には、ChatGPTみたいな世界観をChatworkでも挑戦したいと思っています。チャットのその先、文字を打たなくても仕事が完結する世界観。x to text やtext to x の進化は止まらないと思います。その中でChatworkが中小企業の方々にどんな付加価値を届けられるか。そこが重要だと考えています。この先、キーボードやモニター、もしかしたらPCまでもが必要のない世界がやってくるかもしれない。Chatworkのミッションである「働くをもっと楽しく、創造的に」を実現できるように日々励んでいます。

撮影場所:東京オフィス(WeWork 日比谷FORT TOWER)

*1:Business Process as a Serviceの略。ソフトウェアの提供ではなく、業務プロセスそのものを提供するクラウドサービスであり、クラウド経由で業務アウトソーシング(BPO)が可能。