Cha道

Chatworkの「人」「組織」を
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何をやってもダメだ。もう自分の好きにやろう。そこからお客さんの反応が変わり始めた。

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大学時代から、インターンシップやアルバイトで数々の接客・営業経験を重ねてきた中山。新卒で大手ネット広告代理店に入社して、1年半でChatworkにジョイン。セールスを経て、現在はカスタマーサクセス職を務めていますが、「ここまでは挫折の連続でした」と本人は語ります。どのような挫折の中から、何を学んで、顧客に何を提供してきたのか。本音で語ってくれました。

■プロフィール

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ビジネス本部 カスタマーエクスペリエンスユニット
セールスサクセス部カスタマーサクセスチーム
中山 隆太郎

高知県出身。青山学院大学在学中に、複数のIT企業でインターンシップを経験。2018年3月に新卒で大手ネット広告代理店に入社して、クリエイティブ職を務める。2019年10月にChatworkに転職。セールス職を経て、現在はカスタマーサクセスに従事している。

小学5年生のとき、四国と関西の空手の大会で準優勝

――まずは、幼少期の思い出を聞かせてください。

小学2年生の時にブルース・リーに憧れて、フルコンタクト型の空手を始めました。小柄な体で大きな敵を倒していくのがカッコ良かったからです。もちろん、現実はそんなに上手くはいかず、体の小さかった私は全く勝てなかった。上級生の体格の良い対戦相手に負けては、悔しくて泣いてばかり。ただ、「自分でやりたい」と始めたことだったので、苦しみながらも空手を続けました。
ようやく5年生になった頃から結果が出はじめて、四国と関西の大会で準優勝できたのです。諦めずに継続することが大事だということを、このときに身に染みて学びました。目の前の結果に右往左往するのではなく、長期的な目線を持って取り組むことで挫折を乗り越えられる。そう実感したことは、この後の人生にもつながっています。

かばん屋での接客経験が、仕事の原体験になった

――そして、大学進学後は何に打ち込んでいましたか?

大学時代はアルバイトとインターンシップに明け暮れましたね。とにかく働いてお金を稼いで、趣味のファッションにつぎ込んでいました。まず、アルバイトなのですが、「Sac's Bar」「Gran Sac's」などの店舗で革製品の販売を手掛ける、「東京デリカ」で接客をやっていました。吉祥寺の支店で4年くらい働いたのですが、楽しかったですね。
馬の装着する馬具に使われる「ブライドルレザー」という素材があります。レザーとロウを何重にも重ねて圧着した、ミルフィーユ状態の革なのですが、これが好きでたまらなかった。自分が好きな製品をお客さんに紹介して、使っていただけるのはやりがいに感じていました。そこにウソも駆け引きも無い。きれいごとかもしれないけれど、「好き」と「喜び」の世界がそこにはありました。これが私の働く上での原体験になったと思います。

Wantedlyのインターンで、企業の採用課題を一緒に考える面白さに気づく

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――他に大学時代に経験したことはありますか?

接客のアルバイトだけでは、就職するにあたって視野が狭いだろうと感じたので、IT企業のインターンシップに参加しました。
最初に働いたのは、OB訪問のサービスを展開しているベンチャー企業です。就職やOB訪問に関するメディアを展開している部署で、記事のディレクションやSNSへの投稿を担当。ただ、自分も未熟だったせいもあり、仕事の意義を見い出せませんでした。「これは何のためにやってるんだろう」と疑問を感じながら作業をこなす毎日で、4ヶ月で次の職場に移りました。

――インターンとはいえ、仕事に意義を見出せないのは辛かったですね。

次に選んだインターンシップ先はWantedlyです。このときの経験が、私にとってのターニングポイントになりました。インサイドセールスを経て、求人サービス「Wantedly」のフィールドセールスを担当。お客さんにWantedly本社に来社いただき、そこで商談をおこなう仕事です。学生の身でありながら、企業の採用課題の相談を受けて、その解決策を一緒に考える。かばんの接客とは違ったワクワク感がありました。1日6〜7件の商談を、学生という身分を隠しながらこなしていました(笑)。
サービスの契約よりも、提案内容を実践してもらって、お客さんの採用成果につながったときが嬉しかったですね。Wantedlyという商材が好きだったので、臆せずに商談できたのも大きかったです。求人広告に対して「いいね!」をクリックすると、Facebookでシェアされる仕組みで、「企業のビジョンに共感した人に届きやすい求人サービス」なんですよ。自信を持ってお客さんに薦められました。自分が心の底から共感した商材を扱うのが大切だと、Wanetdlyのインターンシップを通じて改めて気付きましたね。

広告代理店でのクリエイティブ業務では、お客さんに触れることができずに苦しんだ

――そして、大学を卒業して、どちらに入社しましたか?

大手インターネット広告代理店です。入社理由は、今までに経験したことの無い「売り方」を学びたかったから。大学時代に対面での接客やフィールドセールスは経験したのですが、広告はほとんど触れたことがなかった。ネット広告をどのように活用すれば、どのようなお客さんを集客できるのか、自分で試したかったのが大きな理由です。
配属はクリエイティブ担当。バナーやLPをつくったり、動画を編集して流したり。学んだことは多かったのですが、このまま続けても自分が大きく成長するのは難しいと感じてしまいました。広告業務の中でも一部分の経験に限定され、色々な商材を担当するので、自分でも思い入れを持って「これを売りたい」と感じるのも難しい。また、エンドユーザーに直接触れることができないので、喜んでくれているか不安にもなりました。自分の視野の狭さにも問題があるのですが、1社目のインターン先と同じような状況に陥りました。このときは苦しかったですね。

Chatworkを選んだのは、自分の「好き」をお客さんに提供できるから

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――その後はどういうキャリアを歩みましたか?

インターネット広告代理店で1年半働いたタイミングで、転職を決意しました。自分でも「これを売りたい!」と共感できる商材を扱う会社を探したのですが、出会ったのがレザー製品を扱うアパレル企業とChatworkでした。Chatworkを選んだ理由は、前職で使っていて「これは良いプロダクトだ!」と共感したからです。メールよりも速くて簡単で便利で、仕事が大幅に効率化されて愛着を持っていました。Wantedly在籍時と同じく、「これを使うことで幸せな人が増えそう」とポジティブな感情を抱いていました。
面接時に当時のアカウントセールス部 マネージャーの黒田さん(https://chado.chatwork.com/entry/2020/11/04/090000)とお会いした際に、中小企業向けのサービスであることと、多くのユーザーも中小企業の方々だという事実を知り、「このサービスは世の中に広めるべきだ」という確信が芽生えてきました。前職では、海外企業が提供するチャットツールも併用していたのですが、Chatworkの方が親しみやすくて、中小企業向けと聞いたときには、妙に納得したのを覚えています。

――入社後の配属はどの部署でしたか?

最初はインサイドセールスでした。資料請求した新規のお客様に対して、電話で要望などを伺って、フィールドセールスのチーム(クロージング担当)にパスする役割です。その後、Wantedlyのときのように、お客様の課題解決に向き合いたかったので、2ヶ月くらいでフィールドセールスのチームに異動させてもらいました。
そこで10ヶ月ほど働きましたが、営業としての基礎力の弱さが露呈しました。営業経験といっても学生時代に少しかじっていただけだったので、正直、「カタログ営業」のレベルでしたね。トークのフォーマットをつくって、それにのっとって会社説明をおこない、「Chatworkはこういう機能があります、競合各社よりもこの点が優れています、買ってください」のように営業をしていました。要は、お客さん側に立てていない。一から営業を学び直しましたね。正直、苦しかったのですが、プロダクト自体が好きであり、その先の社会に対する意義を感じていたので、なんとか食らいついて行きました。

どうしても、お客さんの立場に立つことができない。苦しい日々を過ごした

――フィールドセールスの後に、カスタマーサクセス部へ異動したのでしょうか?

そうです。2020年の10月にカスタマーサクセス部に異動しました。Chatworkを導入いただいたお客さんに寄り添ってその活用を促し、一緒に業務の効率化を実現する役割です。
この仕事は、Chatworkをどういう目的で導入して、その目的を実現できたかをヒアリングすることから始まります。そこから活用方法を考えて一緒に実現してくのですが、セールスよりもお付き合いする期間が長いので、よりお客さん目線に立つ必要があると思っています。
ただ、そのように相手に寄り添うことがどうしてもできなくて、2度目の挫折を経験しました。お客さんに自分なりに考えたChatworkの活用方法を提案しても、「う〜ん、それは分かっているんだけど、できないんだよね」とか「何を言っても周りがChatworkを使ってくれなくてさぁ」で終わってしまう。そのようなアポイントが続いて、途方に暮れました。自分自身で何かキッカケをつかみたいのですが、どうすればいいのか分からない。苦しくて悶々とした日々を過ごしていました。

この先輩には何を言っても聞いてくれない。もう好きに自由にやろう

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――何か浮上のキッカケはあったのでしょうか?

そのときに声を変えてくれたのが、当時同じ部署で働いていた大河内さん(https://chado.chatwork.com/entry/2021/01/19/100000)です。「お前、今までのスタイルを変えないと無理だ。毎日ロープレやるからよろしく」と言われて、そこからは愛のある地獄の日々でした(笑)。毎回、大河内さんが嫌なお客さん役をやってくれて、こちらが何を言っても否定してくるんですよ。たとえば、、
私「そういう課題があるのなら、Chatworkを使った方がいいですよ」
大河内さん「でも、お金がかかるんでしょう。お金ないですよ」
私「Chatworkに価値を感じてもらったので、無料版で導入していただいたんですよね」
大河内さん「なんとなく感じているのですが、何がいいのか、よく分からないんですよ」
私「でしたら、どのような使い方をされているのか、より詳しく教えていただけますか?」
大河内さん「さっき言った通りですよ。もっといろいろ提案してくださいよ」
私「(これ以上、何を話せばいいの、、、)」
のようなロープレです。。これを毎日やらされました。大河内さん曰く「練習試合を勝てる相手とやっても仕方がない。負けから足りないことを学ぶんだ!」と力説していましたが、間違いなくメンタルは削られましたね(笑)。
そして、毎日のロープレでダメ出しを受けていたある日、吹っ切れた瞬間が訪れました。この人には何を言っても聞いてもらえないなら、もう自由にやってやろうと。自分が本当に良いと思う提案だけをして、お客さんが必要そうにするのであれば、そこから頑張ってお付き合いをしよう。逆にChatworkを必要とされないなら、無理に使ってもらわずに他の手段を提案しようと。お客さんを仲の良い友達と見立てて提案をする。そうすることで、相手のために一緒に課題を考えられる。このようにスタンスをガラリと変えました。今思えば、学生時代にカバンを売っていた頃と同じようなスタンスですね。原点に回帰したような感じです。

「病院内のペーパーレスを図りたい」その要望からChatworkの活用を提案した

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――なるほど。ロープレでの必死の努力の後に、開眼したのですね。

そこから徐々にお客さんとの関係構築ができるようになり、Chatworkを業務改善に活用いただくケースも増えてきました。かなり長いお付き合いをしているお客さんとして、とある関東圏の大きな病院が挙げられます。「連絡手段をチャットに変えてペーパーレスを推進して、病院内の業務効率化を図りたい」という要望をいただきました。
業務の理解は外部からは難しいので、徹底的にヒアリングしました。「業務を効率化したい」と言われたら、「業務はどのようなプロセスに分かれていますか?」「効率化とは何を意味しますか?」などを深掘りしています。他に課題がないか、洗いざらいに聞いて、優先順位をつけるところから始めました。

コロナ禍の多忙な病院で、業務の大幅な効率化につながった

――具体的には、どのようにChatworkの活用を進めて行ったのでしょうか?

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、まずはその対応としてChatworkの活用手法を提案。コロナに関する情報が毎日のように更新される状況で、ワクチンの情報などもタイムリーにキャッチアップするためにChatworkを使っていただこうと。その提案が功を奏しました。
コロナ禍ということあり、医師の皆さんはかなり忙しく働いている。その中でコミュニケーションがメールからチャットに変わっただけで、社内や関連する医療機関とのやりとりが速くなり非常に楽になった、とのことでした。会議で一堂に介して口頭で伝えなくてはならないことが、テキストで済むので効率が上がり、ログも残るので助かる、という声もいただきました。
さらに「他の病院でも使いたいから、院長を紹介したい」といった依頼をいただくように。ちょうど緊急事態宣言が明けていたタイミングで、感染対策をおこないながら、大勢の医師の皆さんの前で話をするのは緊張しましたね(笑)。

相手の立場に立てるようになった、とお客さんの反応から気づいた

――この病院でのプロジェクトを通じて、何か感じたことはありますか?

そのときに感じたのが、自分がお客さんの立場に立てて、物事を考えられるようになった、ということです。お客さんの反応から、自分に対する信頼が高まっているのが見えるようになってきましたね。振り返りのミーティングで「サポートがとても丁寧ですね。現場で働いている人たちのことをきちんと考えてくれて、細かくフォローしてくれたのが成果に繋がりました」とお客さんに高い評価をいただきました。
また、担当者の方が院内で説明するための資料を、私が作ったこともありました。「おかげさまで部長陣にChatworkの導入方法を理解いただくことができました。あの時はとても助かりました」とおっしゃっていただいて、自分が思ってもいないところに価値を感じてくれるんだ、と気づきましたね。

「一歩先の働き方」を提供するのが、使命であり、自分にとっての幸せになった

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――今後に向けた目標はいかがでしょうか?

まずは目の前の仕事をやり切ることに注力したいですね。Chatwork導入直後のお客さんが、業務効率化のために活用できるように、私にできることを限界までやる。そこで見えてきたことを、社内にも展開して、組織としても強くなっていきたいです。Chatworkを使っていただいて、「本当に便利になった」「ありがたい」という声をよく聞くようになったので、その数を増やしていきたいという思いが強いですね。
一歩先の働き方や、少しでもワクワクする働き方を提供することが、私の使命であり幸せだと感じているので、そのためにやれることはやっていきたい。たとえば、お客さんに新たなお客さんを紹介いただいたり、自分でセミナーを開いて影響力を高めたり。
ただ、Chatworkを無理に勧めたくはないんですよ。ビジネスチャットは使った方がいいとは思うのですが、その会社に合うツールと合わないツールがあります。ITリテラシーの高い企業は、Chatworkではなく他のツールを使ってもいいとは思います。ただ、そうでないアナログな企業にはChatworkが向いていると断言できます。
そこに私の仕事の意味がある。電話やFAXでのコミュニケーションがチャットに置き換わると、劇的に職場が変わります。先ほどご紹介した病院の例にもありましたが、働き方が変わってコロナ禍での対応がスムーズにできるようになった。そういった意味でも、社会的な意義もある仕事だと思います。私の「好き」と相手の「喜び」が合わさる範囲が、店舗での接客の時と比べると、一気に広くなった。そう考えると、ここまで頑張ってきた甲斐があったのかな、と感じますね。