Cha道

Chatworkの「人」「組織」を
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サービス業の過酷な現場で刻み込まれた痛みが、 デジタルなマーケティング活動に血と心を通わせる。

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紳士服や飲食チェーン店の現場に、20代の全てを捧げた大森。その後、楽天でECコンサルティング業務を手掛け、東証一部上場の人材系企業で執行役員を務めた後、2021年1月にChatworkにCMOとしてジョイン。「若い頃に現場で感じた、格差や理不尽さを無くすために、デジタルの世界で活動してきました」と語る。
また、「一人ひとりのお客様に接客する仕事と、デジタルマーケティングは根本では同じ」とも言い切る。これらの背景には、どのような生き方、どのような仕事への向き合い方があるのでしょうか。

■プロフィール

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CMO(Chief Marketing Officer)兼セールス・マーケティングユニット
ユニット長 大森 勇輝

北海道 函館市出身。2000年3月に地元の大学を卒業後、紳士服チェーンに入社。店舗で接客スキルを磨いた後に、飲食チェーンに転職。SV(スーパーバイザー)として、複数店舗の経営支援を手掛ける。その後、飲食チェーンのコンサルティング企業を経て、楽天に入社。ECコンサルタントとして、地方創生にも関わる。自らの会社立ち上げも経験をして、一部上場人材系企業のUTグループへと転職。マーケティング担当の執行役員に就任。2021年1月、ChatworkにCMO兼セールス・マーケティングユニット ユニット長としてジョイン。

雨の中の「終わらない見送り」から、私のキャリアが始まった

――大森さんのキャリアのスタートを教えてください。

 地元は北海道の函館です。大学時代は20件くらいのアルバイトを経験して、接客の仕事を志すようになりました。その中で、一つの衝撃的な体験が私のキャリアを決めました。就職活動用のネクタイを買いに、ある紳士服店に入ったときのこと。このお店の店員さんは、購入後に小雨が降る中で一緒に外に出て、私の車を道路へと誘導してくれました。「濡れるからいいですよ」と言っても、「いや、慣れてるんで」と傘も差さずについてくるわけです。
駐車場を出て200-300メートル進んだところの信号で停止して、たまたまバックミラーをみると、まだ私の車を見送っている。驚愕しました。おそらく、マニュアルに載っているわけではなく、自主的にやっているのだと思います。ここで働けば、接客のスキルは間違いなく鍛えられる。そう確信して、その紳士服チェーンに入社しました。

帰ってくれ!アンタのところに返せる金なんか、一円も無いんだよ!

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――その紳士服チェーンでは、どのような仕事を?

来店いただいたお客様の心を先読みしながら接客する。そのスキルは鍛えられたと思います。しかし、実は業績が悪化していて、1年半後に倒産してしまいました。次は成長している会社に入って経営のノウハウを学ぼうと、東京の飲食チェーンに転職。オーナー企業だったのですが、そこの取締役の方がかなり有能な方で、一気に店舗数を伸ばしていた。その方の近いところで働ければ、経営について学べるだろうと。
そして、この会社で、私のビジネスマンとしての原点が形成されました。その取締役からは「お前は仕事をしてない!結果を出せ!」と詰められ続ける毎日。私はフランチャイズの加盟店向けのSVを担当していたのですが、「お前が売上を上げないと、オーナーが死んでしまう。分かってんのか!」と。

――それはなかなかハードな毎日でしたね。。。

実際に、業績が悪化して、潰れそうになった店舗を担当したことがありました。脱サラした40歳代の夫妻がオーナーだったのですが、お二人と金策についてファミレスで打合せを重ねていました。あのときは、辛かったですね。。。借金がかさんで、お二人は涙を流していました。私は会社から「売掛金を回収してこい」と言われている。恐る恐る「もう売れるものなんて残ってないですよね・・・。例えば車とか・・・」と尋ねると、「もう売ったよ!!ウチにはもう何も無い!アンタのところに返せる金なんか、一円も無いんだよ!本当にどうしたらいいのかわからない!助けてくれ!」と涙を流しながら、懇願されたこともあります。
もちろん、土日も休まずに、私としてもできる手助けは全てやりましたが、20代半ばの若造がいくら頑張っても力は及びませんでした。お二人とはそれまでは一緒に、笑い合いながら、助け合いながらお店を運営してきたのに、事業が上手くいかなくなると全てが壊れてしまう。このときの痛みは、いまでも心に刻み込まれています。利益を出さないと皆が不幸になる。場合によっては、人が死ぬこともあるかもしれない。ここからですね。私が売上や利益に誰よりもこだわるようになったのは。

飲食業界を儲かる業界にしたい。その可能性を追い求め、楽天へ

――その後はどのようなキャリアを歩みましたか?

もう一つ、キャリアの転機があって。先ほどの飲食チェーンを退職して、飲食店のコンサルティング企業に転職しました。業績の悪化しているお店に入って、接客やオペレーションの指導をしたり、スープカレーの新業態を立ち上げて、その店舗展開を担当したり。売上や利益にこだわって死に物狂いで頑張ったのですが、そこでも厳しい現実に直面します。

――どのような問題に気付いたのでしょうか?

 「この業界ではどんなに頑張っても、構造的にほとんどの人たちが報われない」ということを思い知らされました。飲食業は利益率が低くて、売上もどうしても立地に左右されてしまうんですね。「お客さんの笑顔が見たい」と現場の皆さんは一所懸命働いてくれますが、給料は安くて長時間労働も常態化している。この業界をもっと儲かるものにしないと、多くの不幸を生んでしまう。
その課題を打破しようと、転職したのが楽天だったのです。ECでは場所を選ばずに売上を立てることができるし、一人ひとりのお客さんへの接客の必要が無いので、そこまで労働集約的にもならない。当時、楽天は「地方創生」をスローガンに掲げていて、故郷である北海道の活性化にもつながると思いました。そこで、ネットモールに出店している100店舗のECコンサルタントとして働くことになりました。29歳でのIT業界への転身です。ここから先は、リアルの世界で直面した課題をデジタルで解決する。そのためのキャリアを一貫して歩んできました。

次は、デジタルの力で、非正規雇用の人たちを正社員に

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――楽天の後はどのような仕事を?

そして、Chatworkに入社する前職まで話は飛びます(笑)。前職では、製造業向けの人材派遣を手掛ける、UTグループで執行役員を務めていました。主に非正規雇用の人たちを正社員として自社で雇い、技術者としての教育をおこなって、大企業の製造現場に派遣する会社です。
そのビジネスモデルに惹かれたんですよね。契約社員やアルバイト、有期雇用派遣などの非正規で働いている人たちを正社員で雇って成長してもらうという。私自身も、北海道の田舎で無名の大学を卒業して、ここまで苦労してきました。生まれてきた土地や環境によって、その後の可能性が制限されて、格差が生まれてしまう。そのような例を周りで多く見てきたので、何とか少しでも解決したいと考えたのです。
UTグループに入社後は、派遣で働く社員の採用をメインで担当。培ってきたデジタルマーケティングのノウハウを用いて、採用の在り方をガラリと変えました。従来の「紙の求人情報誌」は縮小して、デジタル広告に特化。ECのマーケティング手法を取り入れ、結果、数倍のリード獲得につながり、短期間で多くの社員を採用できたのです。多い時では月間1,000名もの方々を正社員として雇用できたので、大きなやりがいを感じていましたね。

アナログな手作業を効率化して、中小企業の業績を救いたい

――ようやく、Chatworkの話に移るのですが(笑)、どのような経緯で入社しましたか?

UTグループでは中期経営計画を前倒しで達成できて、「採用のデジタル化」にもメドが付いたので次の職場を探していました。ちょうどコロナ禍で大変な時期です。飲食業界時代の仲間と話す機会があったのですが「業績が悪化して周りがみんな辞めてしまった。人が足りない。本当に厳しい状況だ」と。色々と話を聞いてみたのですが、業務全体がアナログで非効率な部分が多く見えてきたのです。
私自身、飲食チェーン時代も、楽天時代にも、起業していたときにも、多くの中小企業の現場に触れていました。そこでの業務負荷に苦しみ、本来やるべきことに注力できずに、事業を伸ばしきれないシーンにも多く直面してきた。先ほどお話しした、業績が悪化した飲食チェーンにも、同じような傾向が見られました。アナログ作業をデジタル化することで、多くの会社で健全な労働環境が生まれ、事業の成長にも寄与できるのではないか。そう考えていたときに出会ったのが、Chatworkだったのです。

白地の87.5%を先に獲れるか。まさにこの2〜3年で勝負が決まる

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――2021年の1月にジョインして、どのような役割を担当しているのでしょうか?

CMO(Chief Marketing Officer)兼セールス・マーケティングユニット ユニット長としてジョインしましたが、あまり悠長に構えている余裕は無いのが正直なところです。とにかく競合とのユーザー獲得競争が熾烈になっています。「テックジャイアント」と呼ばれる大手外資系企業の提供するサービスもあれば、国内の中小企業向けのサービスもユーザー数を伸ばしています。
いま、ビジネスチャットの普及率は12.5%*くらいで、残りの87.5%をどこが獲るのか。膨大なログが残るので、チャットツールは一度導入すると他社に乗り換えにくい特性があります。つまり、白地の87.5%を獲ったプレイヤーがそのまま勝ち続ける可能性が高い。この2〜3年がまさに勝負なのです。その競争に勝つために、あらゆるマーケティング施策を投じるのが、私のチームのミッションです。これまでの成長スピードだと勝ち切るのは難しいので、「非連続」なグロースをとにかく求めていきます。

マーケティングとセールス。その両輪のバランスをどう取るか

――具体的に進めている施策は?

見込み顧客のリードを集める「マーケティング」と、そのリードから成約を生み出す「セールス」の双方に施策を投じています。2つのバランスをどう取るのかが、非常に重要なポイントなのです。リードが集まりすぎても、それを受け継ぐセールスの体制が十分でなければ、リードを捨てることになりかねない。逆に、セールスの機能を拡充しすぎても、リードが来なければ、アイドルタイムを増やすだけになってしまう。双方のバランスを保ちながら、非連続に成長させていくのは、かなりやりがいのある大きなテーマだと思っています。
具体的には、リードの最大化のためには、認知度獲得系の広告を出したり、中小企業経営者向けのイベントをおこなっています。他にも様々な施策を打っているのですが、想定以上の成果を挙げることができました。セールスのキャパが決まっている中でリード数が増えすぎても困るので、量と質をどのように両立させるのかが、現状の大きなテーマです。
一方、セールスにおいては、スタッフの体制を拡充するのと同時に、テクノロジーを導入することで生産性を向上させたいと考えています。詳しくは言えませんが、中小企業のトップにアプローチする「ハイタッチ営業」に、「テックタッチ営業」の要素を組み込む準備を重ねているところです。

Chatworkは「人の優しさ」が伝わるデジタルツールだと思う 

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――現状のChatworkの課題は、どのように見ていますか?

Chatworkという会社は、自分たちのプロダクトを信じて、マジメに丁寧に実直にやってきました。ただ、今は非連続な成長を求められている時期です。この文化を活かしつつも、言葉を選ばずに言えば「粗くスピード感を持ってやること」が大切だと思っています。エンジニアの組織は別ですが、マーケティングやセールスのチームでは、このカルチャーを少しずつでも醸成していきたい。正解が見えない領域ですので、どんどん失敗をしないと成功が見えないんですよ。とにかく打ち手を増やしていこうと。とりあえずやっちゃおうと。メンバーに対しては、日々の仕事の中で伝えていますね。
一方で、「マジメで丁寧に実直に」お客様と向き合える文化は、大きな強みなのは間違いありません。日本流のウェットなセールスやマーケティング活動は、特に海外企業との差別化ポイントになります。お客様との一つひとつの接点において、相手の事業を理解して、課題をすり合わせて、Chatworkを使ってもらう。プロダクトの機能ではなく、「人の丁寧さ、優しさ」が導入の要因になっているケースは数え切れないほどあります。ここまでのウェットな付き合いは、おそらく他の企業ではやれないし、やらない。ここに一つの勝機があると見ています。

――デジタルマーケティングの先には、アナログな人と人との接点があると。

そうです。結局、マーケティングも「人と人とのつながり」なんですよ。デジタルやマスを使って認知を拡大することも大切なのですが、最後は「この人だったら頼れそう」「この人の言っていることをやれば、職場が良くなりそう」とお客様が思ってくれるかどうか。私自身、紳士服店で接客をやったり、飲食店で多くのお客様と接してきました。これらの膨大な顧客接点の中で、「商品だけでは提供できない無形の価値がある。それは人でしか伝わらない部分もある」と実感してきました。中小企業の現場に数多く触れた経験からも、Chatworkは「便利さ」「使いやすさ」にとどまらず、「優しさ」「温かさ」「真摯さ」のようなものも提供できる。そういった確信を持てています。

「世の中の格差を縮めたい」その想いはずっと変わらない

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――今後の展望はどのように考えていますか?

ここまでの人生において、リアルとデジタルそれぞれの世界で、マーケティング活動を突き詰めてきました。双方の知見を最大限に生かして、社会をグッと前に進められるのが、今の仕事だと捉えています。その根底にある想いは、「世の中の格差を縮めること」。中小企業の現場での生産性を、Chatworkを活用して向上させることで、大企業並みに働きやすい環境をつくれると思いますし、業績も上向けば処遇も良くなり、従業員の皆さんも余裕のある生活を送れるでしょう。飲食店の労働環境と待遇を改善したいと思っていたときと、やりたいことは変わっていません。ただ、Chatworkというプロダクトは、業界の垣根無く広がっていくので、やりがいという意味では大きいです。
世の中の格差を縮小し、一人ひとりが楽しく、創造的に働ける世の中をつくる。そのためには、もっともっとChatworkという会社が成長しなくてはならない。今の状態では全然足りない。もっと多くの仲間が必要です。
「Chatworkを広めたい」という想いは最初は無くてもいいので(笑)、何らかの生きる目的を持った人と働きたいと思います。正直に言いますと、まだこの会社には整っていない部分も多いので、受け身のスタンスでは活躍するのはなかなか難しい。「伸びているSaaSの会社で働きたい」「優秀な人材が集まっている企業で自己成長したい」「海外の企業に純国産企業の強みで勝負したい」「もっと稼いで良い暮らしをしたい」など、何らかの目的を持っていれば、自ら機会を活かすことができる。いま、このタイミングでのChatworkには、多様なチャンスが溢れている。そんな希有な会社だと思います。
* 当社依頼による第三者機関調べ、n=30,000